タッパーウェア 石井恵三社長に聞く「方針と戦略」 

新教育制度、トップ販売員のノウハウ伝授30人選抜、SNSマーケティングを講習

 前回(3月9日号1面)に続き、タッパーウェアブランズ・ジャパン(東京都千代田区)の石井恵三社長に話を聞いた。
(インタビューはオンラインで2月27日実施)
▲タッパーウェアブランズ・ジャパン
石井 恵三 社長


過去5年で最高益 eコマースが貢献

    ―――前期(=22年12月期)の販売活動は、少なからずコロナ禍の影響を受けたという。今期(=23年12月期)はどうか。
 「1月〜2月の直販ビジネスの売上は(対前年比で)二ケタ成長している。昨年の今頃は、オミクロン株の影響で活動が制限されていた。 料理教室の参加人数を減らす必要があったし、教室を開けてもその場では味見ができなかった。
 そんな状況だった昨年に比べると、非常に活動しやすくなったし、料理教室の予約がたくさん入り始めている。 コロナ禍で足が遠のいた顧客が徐々に戻りつつあると感じる」

  ―――料理教室等の活動拠点として「スタジオ」を運営している。現在の数は。
 「全国で28店。以前は29店だったが、世田谷の1店舗を閉めた」

  ―――今後の運営方針は。
 「店舗数は現状を維持したい。運営面では、料理教室の1回あたりの時間を短くして開催数を増やしたり、営業日を増やすといった工夫を凝らしている。
 一方で、会社直営の小売店やカフェを併設したお店など、異なる業態の店舗を増やしたいという思いもある。理由は、 韓国のタッパーウェアでそのようなお店が成功しているから。日本とはマーケットの特徴が似ており、参考となる」

  ―――今後、販売活動を支援するための取り組みは。
 「予定している。まず、考えているのは人の育成。活動実績がトップクラスのメンバーには、60歳代や70歳代の方が少なくない。しかも、 誰もが料理名人とみなすようなカリスマで、料理教室の予約もすぐに埋まる。
 ただ、できる料理教室の回数は限られる。会社としては、例えば1日3回の教室を開ける?歳代のメンバーのような下の世代を育てていく必要がある。 そこで、新たに教育プログラムを始める」

  ―――具体的には。
 「料理の腕は経験に比例する。カリスマ視されるようなトップメンバーの長年の経験とスキルは貴重。その方たちのノウハウを冊子にまとめ、 メンバーへ定期的に提供していく。メンバーの多い主要都市を回ってイベントを開き、そこでもノウハウを伝えていく。 イベントにはプログラムの担当者と営業本部長、私が参加するつもり」

  ―――ノウハウの教育はオンラインでも行うか。
 「メンバーにはパソコンを持たず、スマートフォンで視聴される方が珍しくない。プログラムの内容を踏まえると、 スマホの画面ではピンと来ないのではないかと思う。配信自体は、会社から大事な告知を行う時などに定期的に行っている」

  ―――プログラムの達成目標は。
(続きは2023年3月16日号参照)