訪販協まとめ 2021年度のDS市場規模

2.32%減の1.5兆円、4年連続マイナス
コロナ禍の影響続く、化粧品の減少に歯止め

  日本訪問販売協会が、正会員企業の売上データや一部の非加盟事業者の推計値などをもとに22年12月19日までにまとめた、 国内ダイレクトセリング(DS)市場における2021年度(21年4月〜22年3月)の「訪問販売売上高推計値(小売ベース)」は、 前年度比2.32%減の1兆5275億円だった(グラフ参照、正会員数は11月9日時点で110社)。 市場規模の縮小傾向やコロナ禍による苦境を背景に4年連続のマイナス成長となった一方、下げ幅は前年度から2.65?改善させた。推計値は速報扱いだが、 確定値との差異は大きくない見通し。

22年度の見通し 「プラス、難しい」

 推計値は、96年度にピークとなる3兆3400億円を記録。以降は長期に渡る縮小傾向が続いている。過去10年間で前年度を上回ったのは3カ年度で、 消費増税前の駆け込み需要があった13年度(前年度比1.72%増)と、化粧品や宅リフォームなどの堅調を受けた16年度(同0.41%増)、 17年度(同0.24%増)。近年は2度目の消費増税が行われた19年度(同3.39%減)、コロナ禍が始まった20年度(同4.97%減) とマイナス幅を拡大させていた。
 21年度の推計値について協会事務局は、対面の営業・販売活動にコロナ禍が引き続き悪影響をもたらしたことを指摘するとともに、 「オンラインを活用した集客・交流の促進などによって、売上を確保した会社もあったと感じる」「(推計値は)へこんでいるが、 少し持ち直している状況も窺える」とした。
 一方、22年度の見通しについては、「今の景気が良くなるというイメージに弱く、先行きが不透明」「給与が上がらない中で物価高騰の影響も生じている」 「内外の情勢も踏まえれば、(22年度に)プラスに転じることはなかなか難しいと思う」 「既存のお客様に対するサービスをどのように工夫していくかがカギ」とした。

健康食品1%増 20年度から鈍化

 売上推計における上位10品目の順位は、1〜9位が前年度と変わらず(表参照)。前年度比は、1位の「化粧品類(ヘアケア、入浴剤など含む)」 (2955億円)が0.1%増で、2位の「健康食品」(2552億円)が1.4%増。

(続きは2023年1月26日号参照)