第73回ダイレクトセリング実施企業売上高ランキング

前期比0.2%減の1兆3483億円に マイナス幅縮小も予断許さず

リアル施策再開で〝脱コロナ〟へ道筋

 本紙が2022年12月に実施した「第73回ダイレクトセリング(DS)実施企業売上高ランキング調査(対象・DS=訪販・MLM企業)では、 調査企業125社(小売ベース62社、卸ベース63社)の小売ベースの売上高総額は1兆3879億4700万円となった。 前期と比較可能な124社の売上高総額は1兆3483億8400万円で、前期比0.2%減。 2022年7月の前回調査時比でマイナス幅は0.5ポイント縮小した。ニューノーマルに対応したビジネスモデルによって、社会経済活動の再開しつつある。 一方、急速なコスト増や円安といった諸要因によって価格改定せざるを得ないケースも散見されており、予断を許さない状況が続く。


ニーズの変化受けサロン展開も工夫

   回答企業を販売形態別(グラフ1参照)にみると、訪販が66社、MLMが51社となった。この2分野で回答企業の92.2%を占めた。 売上ベースでは、訪販が6858億1500万円、MLMが5949億9100万円。小売・卸ベースともに上位の企業ついては表1および2に掲載。 小売ベース11位~62位、卸ベース11位~63位については2面に表を掲載している。前期売上で増収率が高かった企業についても、 上位10社について2面でまとめている。小売・卸ベースの上位企業20社では、20社中10社が増収を達成した。
 訪販系企業では、ポーラは、直近の2022年12月期第3四半期では、ポーラブランド売上が前年同期比10.7%減の694億5600万円、 営業利益が同22.4%減。主力の委託販売チャネルにおいては新規・既存ともに顧客数の回復がみられるほか、 オンライン経由の新規顧客獲得数は堅調な伸びを示している。店舗でSNSによる情報発信を積極的に行った結果、 フォロワー数は90万人規模で新規獲得に寄与しているという。既存顧客向けには来店促進の提案を強化した結果、エステ売上が復調した。 販売チャネルをみると、委託販売チャネルのショップ数は2942店舗で、前年同期比285店舗減少。 特に、ポーラザビューティー(PB)は548店舗で同40店舗と、一時は600店舗台をキープしていたが、コロナ禍の中で減少が続く。 また、同チャネルにおける購入単価は同17.0%増と回復したが、顧客数は同20.0%減と後退。


(続きは2023年1月5日号参照)