2022年 ダイレクトセリング化粧品市場

アフターコロナ′ゥ据えた取組み

リアル・デジタルの融合進展異業種コラボなど再開の動きも

  ニューノーマル社会も間もなく3年となるが、ダイレクトセリング化粧品市場では、顧客接点のあり方が大きく変わった。 顧客接点と販売チャネルの多様化を目的にスタートしたサロン展開は、普遍化するにつれて多様化・細分化が進んできたが、 コロナ禍で「リアルでの対面」が大きく制限されたことで、これにアプリやSNSといったデジタルツールを使ったアクセスが新たに加わった。 また、対面でのカウンセリングや施術にも変化がみられる。従来のサロンでの施術だけでなく、オンラインでのカウンセリングやITを活用した教育、 自宅訪問など、新しい取組みが相次いでおり、アフターコロナ時代のサロンビジネスへの布石となりそうだ。

サロンへの導線確保アプリやSNS駆使

 全国に「ポーラ・ザ・ビューティー」(=PB)などを展開するポーラは、コロナ禍が始まった2020年から、 対面で行ってきたカウンセリングをオンライン化し、スタッフと顧客の接触時間を減らす施策を実施している。同時に、
▲体験型店舗をオープンしてリアル施策にも注力(ポーラ)

公式アプリを2021年11月から導入し、顧客接点の確保を強化した。アプリでは、ポーラの研究知見が裏付ける情報をベースに、地域や季節、 肌悩みなどに応じた美容情報、多様な視点から身の回りのさまざまな物事の本質を探るライフスタイル、 アートやカルチャーなど計100以上のコンテンツを配信する。店舗の検索、 お気に入り店舗で実施をしているキャンペーンやイベントなどの情報発信・申し込みなど、店舗体験への利便性も高める。
 また、PBなどではオンラインカウンセリングやワークショップを提供。オンラインカウンセリングでは、 顧客とビューティーディレクターとの1対1のカウンセリングを行うほか、複数名が参加できるワークショップ、新製品の使い方や季節ごとの美容法、 家でできるマッサージなどを紹介するオンラインレッスンなど、多様なオンラインサービスも提供している。 顧客同士のコミュニケーションも取り入れたモニター座談会形式での利用も行っている。オンラインワークショップでは家で出来るお手入れやセルフマッサージ、 メークの基本レッスン、新製品の特徴紹介と使用法レッスンなどを複数名対象に実施しており、 参加者の意見などを踏まえてオンラインコンテンツをブラッシュアップしている。オンラインコンテンツの強化は、ニューノーマル社会には不可欠の要素であり、 同社はサロンサービスにおけるニューノーマル対応を進めている。
 一方、リアルにおける施策の強化も進めている。

(続きは2022年12月22日号参照)