承諾取得 「証する書面」、紙による交付を要件化
記載事項、概要書面との同時取得≠ヘ触れず
消費者庁の方針転換を受けて画面サイズの要件は緩和≠ウれた一方、電磁的交付そのもののハードルの高さは大きく変わっていない。 検討会の報告書で提言された厳格な手続きの大半は、今回の政省令案に反映されている。その最大のものが、消費者から承諾を取得したことの 「控え」を紙の書面で交付させるルールだ。
報告書は、オンライン完結型の特定継続的役務提供を除く取引類型について、事業者が消費者から電磁的交付への承諾を得た際、 「機器の操作をせずに視認できるものを最低限、消費者の手元に残すための控え(注意事項や承諾した事実、電磁的記録の受領方法等が記載されたもの) として、書面で交付すべきではないか」と提言。この内容が、訪問販売では、省令案の第10条第7項で「承諾を得たことを証する書面 (当該承諾を書面によつて得た場合においては、当該書面の写しを含む。)を交付しなければならない」と要件化された (表2参照、連鎖販売などの取引類型も同様)。
「承諾を得たことを証する書面」が「控え」を指し、ここでいう「書面」は紙の書面に限定される。取引対策課の説明によれば、 「控え」を交付しないことが直罰規定をともなったり、行政処分の対象になることはない。だが、仮に消費者の手元に「控え」がなかった場合は 「承諾がなかったと評価される可能性がある」(取引対策課)。特商法は承諾を前提に電磁的交付を認めているため、未取得であれば 「業務停止命令等の対象になる」(同)こととなる。
なお、今回の政省令案では、「控え」に記載すべき具体的項目は指定されていない。
(続きは2022年12月15日号参照)