ダイレクトセリング化粧品 最高級ブランド強化の動き

ニューノーマル下での多様化

〝おうち美容〟需要にも対応

  第8波の到来が本格化してきたコロナ禍も、間もなく3年が経過しようとしている。ダイレクトセリング化粧品市場では、リアルとデジタルを駆使したさまざまなサービスが生まれた。 化粧品分野全体では、コロナ禍前から、高機能・高付加価値アイテムが美容に高い関心をもつ層から支持されるのと同時に、 1品で多機能を担うアイテムに代表されるようなコストパフォーマンスに優れた化粧品が、セルフ市場を中心に高い人気を誇っている。〝おうち美容〟も、コロナ禍の中注目を集めているトレンドで、 自宅で満足感の高いケアができる製品の投入が相次ぐ。化粧品各社の〝ブランドの顔〟と言えるフラッグシップラインも、需要に合わせた展開がみられる。

最高峰ブランドで新コンセプト提案

 ポーラでは、最高峰ブランド「B?A」において、新たなコンセプトを展開している。年齢を重ねること(エイジング)に対するネガティブな意識を、年齢を重ねることは、 人生の可能性を広げていくという意識へと転換したいという想いを込め、年齢(AGE)がもたらす経験を未来の可能性に転換する能力(BILITY)を「AGEBILITY(エイジビリティ)」 と命名。その能力がすべての人に備わっているという考え方を提唱する。また、人はいつでも可能性を開花させることができるという意味を込め、「栄華」という花言葉をもつダリアの花を、
▲「B.A」の限定アイテム(ポーラ)
「AGEBILITY」のシンボルとして掲げた。
 9月には、第1弾アイテムとして、「B.Aローション ダリア リミテッドエディション」を数量限定で発売。B.Aの感性品質の1つであるアートワークは、 2015年から世界的フラワーアーティストの東信氏が担当してきた。同アイテムは、「AGEBILITY」の第1弾として、シンボルであるダリアをあしらった。
 「B.A」では、多様化する化粧品へのニーズへの対応も進める。来年3月に限定発売する「B.Aフィニッシングパウダーピンクガーベラ」は、 コロナ禍で変化したメークシーンやメークスタイルを想定して開発したアイテムだという。同社では、コロナ禍で抑圧されていた気持ちが徐々に解放的になり、メークを楽しみ、 ポジティブな気持ちを後押ししてくれるようなアイテムへのニーズが高まっているとして、同アイテムに高いトーンアップ効果や血色感を付与し、春夏の肌を引き立てる機能性で訴求している。 「B.A」のスキンケアと共通の美容成分も配合した。
 このほか、ポーラでは「リンクルショット」ブランドからプロテイン配合の美容液「リンクルショット ジオ セラム プロティアン」を1月に発売。健康意識の高まりから、 プロテインへの関心が増加している中、肌の「プロテイン美容」を提案していく。

独自の美容成分化粧品で初配合

 オッペン化粧品では、最高峰ブランド「アルティメイト」から、第4の商品として、シートマスク「アルティメイト クリームマスク」を9月に数量限定で発売した。


(続きは2022年12月8日号参照)