国センの「社名公表」権限、強化へ DS業界への影響は
霊感商法対策で国セン法改正、権限を明記
処分の「前段階」で公表も、調査権は見送り
早ければ年内施行
国セン法の主な改定ポイントは、社名公表権限やADR(裁判外紛争解決手続き)制度、適格消費者団体に対する支援措置の強化。 消契法は霊感商法取消権の強化と、取消権の行使期間を契約締結から10年に延長(現行は5年)することなどが柱となっている。
このうち、国センによる社名公表の強化につながるのが、国セン法第42条の改正になる(表1参照)。
国センによる情報の収集、公表について定めた第42条は、各地の消費生活センター等が「PIO―NET(消費生活相談データベース)」 に入力した消費生活情報(主に消費者からの苦情)を整理、分析して、国民生活の安定・向上を図るために必要と認める場合は、 「その結果を公表し、又は関係行政機関に対し、意見を付して当該結果を通知するものとする」と定めている。
PIO情報「一番把握」
国センによる社名公表は、商品テストで安全性等の問題が確認された商品の販売事業者について、商品テスト部が定期的に実施。 だが、悪質商法による財産被害事案は近年、ほぼ例がない。消費者の「財産」を「保護」するために公表できる権限を条文に明記することで、 運用の転換につなげる。
改正案や新法を策定するため消費者庁に急遽設置された法制検討室は、改正案の記者向け説明会で、 特定商取引法や消費者安全法などを使った同庁による行政処分が行われている中で国センの社名公表を強化する狙いについて、 「(国センが運用する)『PIO―NET』の情報は自分たち自身(=国セン)が一番、把握するところ」「行政処分に至る前段階において情報を出せれば、 被害防止につながる」と説明。
(続きは2022年12月1日号参照)