アムウェイ特商法処分 訪販協の対応は

倫理審査委を「検討中」、招集せず理事会等で決議も


 消費者庁が10月14日、「日本アムウェイ」(以下ア社、東京都渋谷区、ピーター・ストライダム社長) の連鎖販売事業に特定商取引法違反で一部停止命令等の行政処分を出した(10月27日号4面既報)ことを受けて、ア社が正会員として加盟する日本訪問販売協会 (東京都新宿区、竹永美紀会長)は本紙の取材に、協会としての処分を念頭に倫理審査委員会の招集を検討していることを明らかにした。 協会の定款で可能となっている、理事会等のみの決議で処分する案も視野に入れている。

ア社ディレクターは理事職を退任


 協会事務局によれば、特商法で処分が出たことを受けて、協会の理事を務めていた同社ディレクターのマーク・ディビッドソン氏より退任が申し出られ、 10月19日の理事会で承認された。ディビッドソン氏は18年6月に理事に就任。ア社からの理事選出は11年ぶりだった。また、 別のア社社員が委員を務める総務委員会においても、退任の希望が出されたとしている。
 協会としての処分は、消費者問題を専門とする学識者5人(※参照)で構成する倫理審査委員会の招集を「検討中」とした。同委員会は、 正会員やその系列下における不当な訪問販売を審査し、当該正会員に改善勧告を行うほか、除名および権利停止の勧告を総会に対して行う。
 過去、同委員会で審査され、改善勧告を受けた連鎖販売の正会員には、会員が公衆の出入りする場所以外で勧誘したなどとして、 14年に四国経済産業局から特商法違反で連鎖販売業に指示を受けた高陽社(岐阜県羽島市)のケースがある。改善勧告を踏まえた理事会の決議で、 同社は会費6カ月分にあたる36万円の過怠金の徴収を受けた。

昨年の会員逮捕後に書面で指導


 一方、定款の第13条では、正会員が法の規定に違反したりした場合、倫理審査委員会を招集せずに、理事会および総会で除名、権利停止・制限、 過怠金の徴収を決定することも可能となっている。

(続きは2022年11月3日号参照)