トップ インタビュー 「アフターコロナ」対応のDX推進

目前に迫る「2025年の崖」レガシーシステムからの脱却こそ

 コロナ禍の中で、DS業界ではリアル・デジタル双方を駆使した新たなビジネスモデルが生まれた。一方で、 システムの老朽化や複雑化に悩む企業も存在する。経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート」では、 国内企業の約8割がレガシーシステムを使用しており、IT化の遅れが企業競争力の急速低下を招き、経済損失を生む「2025年の崖」が懸念されている。 43年にわたり600社以上のMLM企業にシステム支援等を行ってきた日本ネットワークシステムズ(本社・宮崎県宮崎市)の 髙山隆憲社長に、 DX推進について聞いた。  
▲日本ネットワークシステムズ
代表取締役社長 髙山 隆憲 氏

IT化の遅れが経済損失に

―――日本国内では、この秋から水際対策が大幅に緩和されるなど、社会経済活動の活発化が期待されています。世界的にも、「ウィズコロナ」から、 「アフターコロナ」へのシフトも見え始めていますが、ダイレクトセリング業界・MLM業界におきましても、 「アフターコロナ」に向けた業務改善が求められています。その中で、避けて通ることができないのが、「2025年の崖」という問題です。
 「『2025年の崖』とは、経済産業省が2018年9月に発表した『DXレポート』に記載されたDX(デジタルトランスフォーメーション)が、 今後日本で推進されなかった場合に発生する企業の急速な競争力の低下を意味する言葉です。 現在は企業の約8割がレガシーシステムを使用していると言われています。レガシーシステムとは、長い間使い続けて老朽化、肥大化、複雑化したシステムや、 そのシステムに詳しい人材がおらずブラックボックス化したシステムのことを指します。このレガシーシステムの存在が、 DXの足かせになっているとされています。このように、既存システムの利用および運用・保守からいつまでも抜けられず、 また日々急速に進むIT技術の進歩の流れに追いつけなくなる結果、2025年以降から企業の競争力は崖から落ちるように急速に低下し、 大きな経済損失を生むといわれています」

  ―――MLM業界におきましても、レガシーシステムを使用しているケースはまだまだ多いと思われます。DX化・データ活用の現状は…。
 「MLM業界でも、DXを推進することが不可欠です。コロナ禍で各企業の売り上げの格差は、@Web受注システムを導入しているか否か、 Aスタッフのリモートワーク化をいち早く導入できたか、B会員とのコミュニケーションにWeb会議システムを導入できたかの違いでした。 弊社の基幹システム『MACS(マックス)』は既に対応済となっており、今回のようなコロナ禍や、将来的に大規模災害が発生し、 会社に出社できない状態になった場合でも、アクセス元を自宅や避難先等に変更して頂くだけで、社内に居る時と同様の作業が可能です。IT人材の少ない中、 いかにこれからのIT化にいち早く対応できるかが、企業の発展を左右すると思われます」  「弊社は、2020年にネットワークも含めた統合インフラで、より拡張性にすぐれた『Cisco Hyper Flex System』 にリプレースしました。ストレージがオールフラッシュ(SSD)となったこともあり、処理スピードがこれまでの約2倍に向上しました。また、 コミッション計算専用サーバ(IBM Power System)についても、2022年1月にリプレースを行い、 旧システムと比べ処理スピードがこれまでの約3倍に向上しました。両システムのリプレースでは、毎回1億円超の設備投資を行っています」
 

コロナ禍対応で支援体制を強化

▲「チームJNS」体制でシステム開発や取引先支援に全力で取り組む

―――設備面において、企業のDX推進をサポートする体制が強化されていると…。スタッフのサポート体制について伺いたい。
 「弊社システム部は、主宰企業様向け基幹システム(MACS)と、メンバー様向けオンラインシステム(e│MACS)を開発している 『アプリケーション担当』、コミッション計算や昇格処理などのシステムを開発している『マーケティングプラン担当』、 コミッション計算処理とコミッション明細書等を印刷する『オペレーション担当』の3部門に分かれております。これまでは、 各部門から2人(メインとサブ)の担当者計6人を選出して対応していましたが、最近はコロナウイルスに罹患したり濃厚接触者となったりして、 メインとサブが同時に休む事でお客様にご迷惑が掛からないようするため、お客様対応が多い『アプリケーション担当』については、 全てのお客様を4人体制(リーダーとメンバー3人)に変更しました。これにより、 新規先開発や既往先のシステム変更の際に多くのメンバーから意見を聞くことができるようになり、かつ開発スピードも上がりました」
 「また以前は、色々な開発言語のスキルを持っていても、自部門以外の開発をする事が出来なかったため力を持て余している社員が居ましたが、 2016年に『チームJNS』体制に変更後は、新システムのプロジェクトに自ら希望して参加できるようになり、会社全体の戦力をアップする事ができました。 また意欲のある社員は、自分の担当外でも新しいシステムの開発に自由にチャレンジする事ができるようになったため、モチベーションもアップしています」
 

リモート見学会でシステムを体感

―――コロナ禍は一進一退が続いていますが、会社見学会の状況は。
 「弊社ではご好評の会社見学会を、現在リモートで開催しています。Web会議システムを使い、主宰企業様向け基幹システム『MACS(マックス)』や、 メンバー様向けオンラインシステムの『e│MACS(イーマックス)』をはじめ、弊社の信頼の体制や強固なセキュリティーなどを主宰企業様ごとに説明し、 システムの使いやすさを実際にご体感頂けるようデモ版の貸出も行っています」

  ―――近年は、新規事業立ち上げに加え、DX推進のためのシステム刷新の相談も増えているようです。
 「弊社では現在、新規立ち上げ・自社システムおよび他社システムからの移行をご検討されるお客様には、 開発費を大幅値引きするなどの対応をさせて頂いています。 新規立ち上げの企業様・自社および他社システムで運用している企業様などから多くのご相談と新規のご契約を頂いております。 私たちはこれからもお客様に満足いただける『安心・安全・信頼』のサービスを心がけ、 ダイレクトセリング業界やMLM業界の健全な発展を通して社会に貢献して参ります」