ダイレクトセリング化粧品 ニーズ掴む「目元ケア」化粧品

コロナ禍の長期化で需要増性別・年代問わず幅広く

 コロナ禍でマスク着用生活が日常になり、スキンケアやメークに求められる内容も変わって2年半。マスク生活によって、 「メーク時間が短くなった」「ノーメイクでも外を歩けるようになった」という声がある一方で、「アイメイクに時間をかけるようになった」 という意見も多く聞かれるようになった。コロナ禍以前からニーズが高かった目元のケアやメークについては、 マスク着用で顔の上部に人の視線が集まりやすくなったことから、さらに関心が高まっている。目元のシワについては、 「シワ改善」をうたった医薬部外品がダイレクトセリング化粧品各社から相次いで投入されており、目元悩みが多いシニア世代に限らず、幅広い世代で利用が広がっている。
▲B.Aアイゾーンクリーム(ポーラ)

最高峰ブランドの目元ケアアイテム

  ダイレクトセリング化粧品最大手のポーラが展開する「リンクルショット メディカルセラム」(20グラム・税込1万4850円)は、 国内初の「シワ改善薬用化粧品」として、2017年1月に発売された。主力のダイレクトセリングをはじめ、百貨店やEC、 海外展開などによってこれまでに300億円以上の売上を達成し、2021年1月にリニューアルを果たした。 コロナ禍で外出機会が減ったことに加え、マスクの着用でリップなどのメーク品の売上が落ちる一方、 目元ケアのスキンケアやメークアイテムは、コロナ禍の中でも女性ニーズを着実にキャッチしている。 従来品に比べてシワの改善率が1カ月で2倍以上アップしたという有効性比較のデータもあり、 機能性の強化によって訴求力を高めたのが特徴。単品使いが可能なアイテムであることから、「リンクルショット」をきっかけに、 最高峰ブランド「B?A」など、他のラインナップの購入につなげるフックアイテムとしての意味合いもある。
 近年は、女性だけでなく男性のニーズも増えている。同社のパーソナライズドブランド「アペックス」の肌分析では、 男性(自認含む)の肌分析体験人数が4月末時点で1万人を超え、着実に男性需要をキャッチしている模様。 2021年1月〜2022年4月末までの男性の肌分析体験人数は1万286人で、年代別では20代が39%と最も多い。 これに30代、40代と続き、比較的若い年代においてスキンケア意識が高いことが分かる。肌分析を受けた理由の中には、 「マスク生活で目元のシワが気になり、リンクルショットを購入するために店舗に来店した」という声も聞かれ、性別や年代を問わず、 目元ケアへの関心が高まっていることがうかがえる。
 10月1日には、最高峰ブランド「B.A」から、目元用クリーム「B.Aアイゾーンクリーム」(26グラム・税込1万9800円) を発売する。同アイテムでは、人の顔印象を左右する「印象ゾーン」である目元の重要性に着目。近年、デジタルデバイスの長時間使用など、 ニューノーマル時代のライフスタイルが、目元の印象に影響を与えていると考え、目元にハリと透明感を与えるとともに、豊かな表情に導く。 「リンクルショット」は、シワ改善の医薬部外品有効成分「ニールワン」の有用性を訴求しているが、「アイゾーンクリーム」は、 「リンクルショット」とは異なるアプローチで差別化を図る。
 特徴は、目元の独自構造に着目。うるおいによるハリと艶によるボリューム感で、 立体的な目もとに見せるアイコアビルドアップ理論を採用した。特徴成分として、処方では、 従来品よりも贅沢にテンションオイルを抱え込ませ、肌の上に立体的なヴェールをつくることでハリ感とボリューム感を与える 「3Dビルドアップ処方」を採用した。段階的に感触を変化させ肌と一体化しながらコクのあるクリームがのび広がり、 溶け込むような浸透感からストレッチするような密着感へ感触が変化するという。

最高峰ブランドの目元ケアアイテム

 日本メナード化粧品は、目元用のアイクリーム「コラックス アイ」(18グラム・税込1万1000円)を昨年10月に投入した。 同社が20代〜70代女性を対象に実施した目もとの意識調査によると、理想とする目元は「目元の肌にハリがあること」が、 30代以上のすべての年代で1位となった。

(続きは2022年9月8日号参照)