本紙アンケート45社の回答集計 クーリング・オフ電子化、業界の対応は

電磁的申し出 43%が「受けた」、最多は「電子メール」

半数が受付後に返信、専用メール3割が用意

電磁的方法が「好ましい」19%、「書面と変わらない」は46%

  6月1日に施行された改正特定商取引法で電磁的方法によるクーリング・オフ が出来るようになった。ハガキなどの紙の書面に加えて、電子メールなどの「電 磁的記録」による申し出によっても、契約の申し込みの撤回や売買・役務提供契 約の解除が可能に。消費者は無条件解約を行いやすくなった一方、ダイレクトセ リング業界は更なる対応を求められている。そこで本紙は、電磁的ク・オフの受 付状況や書面によるク・オフとの違いの有無などをアンケートで調査。45社の有 効回答をまとめた。(回答企業参照、集計期間は6月23日〜7月25日、企業によ って一部設問に未回答)。

申し出の状況

 改正特商法で電磁的 クーリング・オフが可 能となったのは、ク・ オフ規定をもつ訪問販 売や連鎖販売取引など 6取引類型。これらの 類型で施行日の6月1 日以降に契約を結んだ 消費者は、電子メール 等の「電磁的記録」で 無条件解約ができるよ うになった。
 そこでアンケートで は、6月1日以降に電 磁的方法によってク・ オフの申し出を受けた かを調査。回答を集計 した結果、「電磁的方 法によるク・オフの申 し出を受けた」 (19社) が43%、「電磁的方法 によるク・オフの申し 出を受けていない」 (23社)が52%を占め た(グラフA参照)。 「その他」(2社)を 選んだ企業は、記述回 答で「不明」「法施行 の以前から(電磁的受 付の)実施を継続」と した。

申し出の方法

 次に、「電磁的方法 によるク・オフの申し 出を受けた」と回答し た19社に、どのような 方法で申し出を受けた かを聞いた(該当項目 からの複数選択式)。 その結果、もっとも多 かったのは「電子メー ル」(18社)で、95% が該当(グラフB参 照)。電子メールによ る申し出を受けていな かったのは19社中1社 だけだった。
 電子メール以外の方 法による申し出で、一 定の回答を集めたのは 「FAX」(8社)と「会 社のWEBサイトの申 し出フォーム」(6 社)。前者は42%、後 者は32%が該当した。
 「SNS・メッセー ジアプリ」(3社)で 申し出を受けていたケ ースは16%と少なく、 「WEB会議システ ム」「USBメモリ・ CD―ROMの郵送」 はいずれもゼロ回答だ った。「その他」(1 社)を選んだ企業は記 述回答で「画像転送シ ステム送信の受付を可 としている」とした。

自主的な取り組み

 アンケートでは、電 磁的方法による申し出 の受付以外に、ク・オ フ電子化をきっかけと して自主的な取り組み を行っているかも調査 (該当項目からの複数 選択式、対象は45社全 て)。
 この回答を集計した結果、「電磁的方法で ク・オフの申し出を受 けた場合、受け付けた 旨を返信・連絡してい る」(22社)が最多と なり、回答社全体の半 数にあたる49%が着手 していた(グラフC参 照)

(続きは2022年9月1日号参照)