第72回ダイレクトセリング実施企業 売上高ランキング調査

マイナス幅は前回調査から縮小

ニューノーマル対応の施策充実

  本紙が2022年7月に実施した「第72回ダイレクトセリング(DS)実施企業売上高ランキング調査」(対象・DS=訪販・MLM企業)では、 調査企業121社(小売ベース58社、卸ベース63社)の小売ベースの売上高総額は1兆3719億5000万円で、前期比0.7%減となった。 2021年12月の前回調査時比でマイナス幅は2.6ポイント縮小した。コロナ禍の中、3年目の夏を迎え、ニューノーマルに対応したビジネスモデルが浸透し、 リアル・デジタルを活用したハイブリッド型のコミュニケーションが活発だ。第7波も指摘され、終息までの道のりは遠いものの、 変化が著しい社会情勢に適応し、多様化するニーズの掘り起こしを進めている。
回復傾向も一進一退続く

  回答企業を販売形態別(グラフ1参照)にみると、訪販が61社、MLMが52社となった。この2分野で回答企業の92.1%を占めた。売上ベースでは、 訪販が6768億4800万円、MLMが5877億8300万円。小売・卸ベースともに上位の企業ついては表1および2に掲載。小売ベース11位〜58位、 卸ベース11位〜63位については2面に表を掲載している。前期売上で増収率が高かった企業についても、上位10社について2面でまとめている。 小売・卸ベースの上位企業20社(表1・2参照)では、20社中9社が増収を達成した。
 訪販系企業では、ポーラは、大幅ダウンとなった2020年12月期から一転し、2021年12月期はプラスに転じた。しかしながら、 コロナ禍の水準には戻っていない。直近の2022年12月期第1四半期では、売上高が前年同期比13.5%減と大きく落ち込んだ。 販売チャネルでは、主要チャネルとなる「委託販売チャネル」のショップ数は3182店舗で、前期末比45店舗減。 ポーラザビューティー(PB)は576店舗で同12店舗の減少となった。委託販売チャネルにおける購入単価は同8.3%増と回復したが、 顧客数は同22.6%減。海外では、中国大陸・香港におけるロックダウンや、店舗の営業制限、韓国免税への出荷抑制等を受けてマイナスとなった。 同社は今夏、ポーラブランドで最高峰ブランド「B.A」の化粧水を発売し、オンラインで体感プロモーションを展開して、リアル・オンライン双方で訴求。 主力スキンケアシリーズのラインナップを強化して、新規顧客獲得、既存顧客の来店を促す。顧客接点としては、新たなデジタル接点を設け、 自社サイトでエステやオンラインカウンセリング等の予約機能を導入し、リアル店舗への導線を強化する。
 他の訪販化粧品系企業でも、リアル・デジタル双方を活用した施策がみられる。


(続きは2022年8月4日号参照)