連鎖販売に「参入規制」、士業2団体が意見書準備
日司連…極悪層の排除@摎Rに、無限連鎖講防止法活用から転換
日弁連…提言は初、販売預託商法の原則禁止で手応え≠ゥ
にわかに浮上したように見える連鎖販売の参入規制導入論。背景には、特商法の施行5年後見直し°K定がある。
特商法の改正は、施行から一定期間を経過した時点で、改正事項の施行状況を検討し、 必要があればその結果に基づいて「必要な措置を講ずる」との規定が盛り込まれることが通例。この規定は、業務禁止命令の新設等を行った16年改正において、 17年12月の施行から5年とされた。つまり、今年12月に施行状況の検討時期を迎えるわけだ。
この12月を一つの山場に位置付け、日司連や日弁連を含む複数の消費者系団体・組織は、特商法の次期改正運動に着手。大目標として、 訪問販売と電話勧誘販売における不招請勧誘規制強化の検討とともに、連鎖販売規制が掲げられている。このような流れの中、 参入規制導入論が姿を現しつつある。
日司連は、3月5日に開催した若者のマルチ*竭閧議題とするWEBシンポジウムで規制案の骨子を報告。 検討を進める具体的な枠組みとして内閣総理大臣による登録制度、商品・役務の刑法等への抵触や管理体制整備などを根拠とする登録拒否要件、 法定記載事項の裏付け資料の提出、1〜3年の更新制を説明した(資料「第2 登録制度」参照)。
実は、日司連が連鎖販売の参入規制導入論を持ち出すのは、これが2度目となる。
18年3月に公表した「マルチ取引の在り方に関する提言」の中で、連鎖規制の試案の一つに「事前規制制度」を取り上げ、登録制度と拒否要件の整備、 無登録取引に対する罰則などが考えられるとしていた。今回、準備を進める規制案は、この時のアイデアを練り直し、大幅に補強した内容となる見通しだ。
日司連が再び参入規制に着目した理由はどこにあるのか。
4年前の提言の起案と3月のシンポで骨子の紹介を担当した、日司連・消費者問題対策委員会の山田茂樹委員は、 個人的見解と断った上で本紙の取材に「連鎖販売を極悪∞中間∞従順≠フ3層に分類し、 極悪¢wを市場から排除するというメインの目的意識は同じ」と説明。前回の提言では、 商品流通の実態がない利益配当型の“極悪”層を無限連鎖講に準ずる類型に位置付け、無限連鎖講防止法で摘発するアイデアに焦点を合わせていた旨を述べた。
しかしその後、検討を重ねた結果、無限連鎖講防止法を活用する案は断念。
(続きは2022年7月28日号参照)