消費者庁が特商法で 住宅リフォームの過量販売、該当要件を公表

「不使用部位」の工事 1年間に3つ以上は該当性アリ実際の適用「個別事案ごとに判断」

リアルでの触れ合い♀エ覚を訴求

▲6月に成立した改正建築物省エネ法を契機に、
   特商法の過量販売の具体的要件を初めて示した
   (写真は消費者庁が作成した事業者向けパンフレット)
 特定商取引法の訪問 販売と電話勧誘販売に おける「過量販売」規 制に関して、消費者庁 は6月22日、住宅リフ ォームが過量販売に該 当する要件を公表し た。床下など日常生活 で使用しない部位を1 年間に3つ以上工事す る場合、過量販売の該 当要件を満たし得ると の考え方を示したも の。1年より前に契約 を結んで完了していな い工事や、従前の契約 に基づいていても実質 的に別契約と判断され る工事は、過量販売へ の該当性を判断する工 事としてカウントする。
改正省エネ法が契機

 特商法の通達の別添 として、過量販売の該 当要件を示す「訪問販 売又は電話勧誘販売に おける住宅リフォーム 工事の役務提供に係る 過量販売規制に関する 考え方」を策定した。 国が特商法の過量販売 で具体的要件を示すの は初めて。
 なお、6月1日に施 行された改正特商法 は、過量販売関連の見 直しを行っていないた め、「―考え方」は現 行法の解釈を明確化し たものとなる。過量販 売規制は08年改正で導 入。訪販と電話勧誘で 商品や役務、特定権利 を正当な理由なく、日 常生活において通常必 要とされる分量・回数 ・期間を著しく超えて 販売した場合、行政処 分や解約権行使の対象 となる。
 要件を策定した理由 に関して、消費者庁取 引対策課は、新築の住 宅等に省エネ基準への 適合を義務付ける改正 建築物省エネ法が6月 13日に国会で成立した ことを説明(施行時期 は25年度)。「今後、 『省エネ(の工事)を やりましょう』といっ た様々な勧誘が活発に 行われる可能性があ る」ことや、法案審議 で関係省庁の連携によ って悪質リフォームに 対処する方針がうたわ れたことをあげた。
他の商品で要件「ない」

 1年間に3つ以上の 工事が特商法上の過量 販売に該当し得るとし た理由については、消 費者庁による行政処分 の事例や住宅リフォー ムの事業実態を踏まえ たことを説明。同庁が 過量販売を認定した処 分は「さくらメンテナ ンス工房」(訪販、19 年12月、業務停止12カ 月ほか)と「メノガイ ア」 (訪販、20年3月、 業務停止15カ月ほか) の2社があり、さくら 社の処分では、勧誘の 2年半前に遮熱材を設 置済みの小屋裏に、別 の遮熱材の設置や断熱 材の吹き付け工事を勧 誘・契約したことを過 量と認定した。


 

(続きは2022年7月7日号参照)