新電力訪販のジニーエナジー

電力価格高騰下で代理店数が増加

競合から乗り換え 顧客7万件の早期達成めざす

 代理店による訪問販売を主力とする電力小売りのジニーエナジー(本社・東京都港区、職務執行者=小泉智子CEO)が、 提携代理店の数を増やしている。急激な電力価格高騰を背景に、多くの新電力が撤退や新規申込の受付停止に踏み切る中、 競合の代理店が新たに同社と組むケースが出てきている。電力業界の水準に合わせ、同社も顧客に電気料金の値上げを提示せざるを得ない状況の一方、 料金プランの明快さや太陽光発電大手の親会社の資本力を強みに新規開拓のスピードを維持したい考えだ。  米エネルギー大手の日本法人として19年に事業を開始。訪問販売を行う代理店と組み、電力の小売り事業を行ってきた。
 しかし、コロナ禍となったことで、20?年春~秋は新規開拓が事実上ストップ。米本社の支援を受ける中、 21年初頭に米国で起きた大寒波にともなう電力危機を経て、昨年5月、 太陽光発電の世界的大手である韓国ハンファグループの傘下で再スタートを切った。ハ社も代理店による訪問販売を太陽光事業で採用するという。
 今の代理店数は、同社と直接取引する一次代理店が約10社。その下に二次代理店が稼働ベースで約30社動いており、 一次・二次どちらも今年に入って「増えている」(小泉CEO)。
 一次代理店は、昨年末から5月上旬までに3社増加。うち1社は、ロシア侵攻の影響も背景に電力市場が混乱を拡大させた今春以降、 撤退するなどした新電力から乗り換えてきたケースという。
 その後も、取引を希望する一次代理店候補が増加。〝買い手市場〟に傾く一方、提携の可否を判断する際は、 特定商取引法をはじめとする関連法規のコンプライアンスを遵守できているかを「特に重視している」(小泉CEO)とする。

(続きは2022年6月16日号参照)