ポストコロナ見据えた戦略のカギは 上場DS3社の中期経営目標
上場するダイレクトセリング実施企業3社がこのほど、ポストコロナを見据えた成長戦略に基づく中期経営目標を策定、公表した。 整水器の日本トリムは直販部門の営業強化などを足掛かりに、5年で総売上を2.5倍に高める計画。MLMの立て直しを急ぐシャルレは、 希望退職募集の実施タイミングの前倒しを図る。ダスキンは主力のレンタルサービスで大規模な投資を進め、最終年度における利益への貢献を見込む。
日本トリム 27年3月期 売上2.5倍へ、整水器は年20万台計画
日本トリム(大阪市北区)は5月12日の本決算説明会で、5年後のグループ総売上を410億円とする中期目標を示した。 22年3月期の162億7600万円に対して約2.5倍に高める計画。達成のカギを握る整水器販売は、最終年度の27年3月期で年20万台を見据える。 高い交換率を強みとする浄水カートリッジは最終年度で120万ユーザーの構築を目指す。
中期目標の初年度となる23年3月期売上は、コロナ禍が引き続き影響を及ぼすとの見通しの下、整水器で前期比12.1%増の?億5900万円、 カートリッジで同2.1%増の49億200万円を計画。カートリッジの小幅な成長率は、長引くコロナ禍で前期の整水器販売台数を落としたことが響く。 主力とする職域販売の前期のセミナー(デモ)開催数は、前々期に比べて一定の回復を見せたものの、感染数が減少した昨年秋~初冬の一時期を除くと、 コロナ禍直前の7~8割台にとどまった。
一方、整水器販売は売上計画の4分の3を占める直販3部門――職域、取付・紹介、店頭催事において、 営業トークの見直しによる販売効率向上や営業増員の効果を見込み、二ケタ成長を狙う
(続きは2022年5月26日号参照)
シャルレ 推進期間を5年に延長、最終年度 売上173億目標
23年3月期を最終年度とする中期経営計画を進めていたシャルレ(神戸市須磨区)は5月13日、同期を初年度とする新たな計画を策定、公表した。 コロナ禍を背景とする事業環境の劇的変化を踏まえ、MLM事業の立て直しを早急に図ることなどが理由。 旧計画で3~4年に設定していた推進期間を5年に伸ばす一方、利益改善を急ぐため初年度に希望退職募集を実施する。 旧計画は3年前に策定。最終年度の22年3月期で売上高175億円、営業利益4億円以上の達成を目指していた。
そこにコロナ禍でMLM事業が大きな打撃を被ったことから、昨年5月に推進期間を1年延長。 20年8月に買収したシャワーヘッド等事業を含めた連結ベースで、23年3月期における営業利益10億円以上の達成などを改めて目指していた。
しかし、コロナ禍の長期化をはじめとして事業環境の不安定化がさらに進んだことから、計画値との乖離を免れないと判断。このほど、 27年3月期を最終年度とする5カ年の新計画を策定した。
最終年度の目標は連結ベースで売上高173億円、営業利益率8%以上(MLM単独の目標は非開示)。22年3月期との比較は売上が11%増。 営業利益率の下限は同期実績の10.9%を下回り、硬めの計画を立てる。
(続きは2022年5月26日号参照)
ダスキン 訪販部門 3年計画で売上11%増、利益4%増
23年3月期を初年度とする3カ年中期経営方針を策定していたダスキン(大阪府吹田市)は、5月13日に公表した数値目標の中で、 ダストコントロール商品レンタル・販売のクリーンサービス事業を主力とする「訪販グループ」部門において、25年3月期における売上高1189億円、 営業利益110億円の達成を掲げた(連結ベース)。22年3月期実績に対して売上は11%増、利益は4%増の計画。 電子タグ導入等の先行投資で、初年度~次年度の利益は大幅な減少を見込むが、これにより業務の省人化や効率化が大きく進められると見ている。
計画では、「訪販グループ」の初年度は衛生関連商品の提供強化、家事代行等のケアサービス事業の拠点数増などに取り組む。次年度は衛生意識の定着、 ケアサービスの出店増を図るとしている。
目標達成のための主要政策は、家庭向け市場における衛生商品の拡大、CX戦略に沿ったWEB受注の増加、家庭市場の営業専任組織の構築など。
(続きは2022年5月26日号参照)