ダイレクトセリング化粧品 回復傾向も一進一退 ニューノーマル対応整備進む
日本国内では、3回目のワクチン接種が進展し、高齢者等に向けた4回目の接種も始まりつつある。第6波のピークは過ぎたが、 依然として予断を許さない状況が続いている。ダイレクトセリング業界の化粧品分野においては、感染防止対策を徹底したサロン営業やIT活用のカウンセリングなど、 ニューノーマルに対応したビジネスモデルの構築を進めている。コロナ禍が収束した後のアフターコロナを見据えた「次の一手」についても取り組んでいる。 一方、急速に悪化している世界情勢や、中国大陸におけるロックダウンなどの影響もある。多様化した消費者ニーズを敏感に汲み取り、 日々変化する環境に柔軟に対応できる商品・サービスの提供が不可欠だ。
シーボンの2022年3月期は、連結ベースで売上高91億5300万円、営業利益1億9300万円、経常利益3億100万円、当期利益4400万円と、 コロナ禍で大きく落ち込んだ前期から概ね横ばいで推移した。
2022年3月期は、社会のニューノーマル対応が進んだことから、多くの制約を受けてきた対面型サービス等で一定程度の回復が見られたものの、 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用によって経済活動は大きく制限を受けた。2020年からスタートした中期経営計画の2年目となった2022年3月期は、 「顧客数拡大とお客様第一のサービス提供」「高機能製品の創出」「コスト合理化による財務基盤の強化」の3つの重点課題に引き続き取り組み、 収益性・生産性の向上を図った。また、付加価値をさらに高めるため、既存事業における新たな価値の創出に向け、組織のシームレス化及び機動力の強化を図った。 その結果、前年同期と比べ新規来店数は25.4%増、既存顧客の継続数は4.9%増となり、直営店舗における売上高は84億1300万円となった。>
主な施策としては、さまざまな顧客層にアプローチすべく、集客チャネルの拡大と集客基盤の強化を目的に、 従前から実施しているイベントでの肌チェックやサンプリング等の対面での集客活動に加え、 SNSや美容情報サイト等のWEBを利用した非対面での集客活動も積極的に取り入れた。このことから、新規顧客の来店数は前期比35.4%増と増加。 WEBを利用した集客活動による新規来店数の割合は18.4%で、前期の7.2%から大幅に伸長した。 また、公式HPおよび公式通販サイトにおける製品レビューコンテンツ「フェイシャリスト プレビュー」の導入や、顧客の中から公式アンバサダーを選定するなど、 製品やサービスの魅力を発信する取組み強化した。>
このほか、2021年9月には新領域の事業として、結婚相談所「シーボン マリアージュサロン」を東京・六本木に開設。化粧品、 エステと美容事業で培ってきたノウハウを活かし、既存・新規顧客のライフステージに関わる分野の開拓を進める狙い。2023年3月期については、 売上高98億1400万円(同7.2%増)、営業利益4億5300万円(同234.3%増)、経常利益4億5100万円(同149.7%増)、 当期利益1億8400万円(同412.2%増)を見込む。
アイビー化粧品の2022年3月期は、売上高が前期比3.1%増の35億3400万円、営業利益が同235.5%増の8300 万円、経常利益が8100万円、 当期利益が4000万円となった。昨年後半はコロナ禍が第5波以降一時的に落ち着いたことなどから、リアルでの対面販売活動も活性化し、 研修開催と動員に回復の兆しがあった。
(続きは2022年5月19日号参照)