2021年の「特定商取引等事犯」検挙状況
21年の被害額は7億4275万円で、前年比は71%減。金額で約155億6900万円の減少だった。検挙事件数も前年より減らし、26件減の106件となった。
前年の被害額は約219億1200万円で、うち約200億円は20年10月に検挙された「明治建築」(兵庫県明石市)と、グループ会社の「メノガイア」(神戸市)、 「さくらメンテナンス工房」(大阪市)の事件が占めた。メ社とさくら社は、20年3月までに消費者庁から特商法違反で業務停止命令等の処分を受け、 メ社は21年3月に代表らが特商法違反容疑で逮捕された。この事件により前年は、 霊感商法の「神世界グループ」を組織犯罪処罰法違反容疑で摘発した11年の約207億円を上回る被害額を計上していた。
特商法の7取引類型毎の検挙被害額は、訪問販売が47億4706万円で前年比77%減と大きく減らした。他の類型は連鎖販売取引が約13億5091万円、 電話勧誘販売が2億4434万円、訪問購入が44万円で、残り3類型はゼロ円。
被害額を減らした一方、被害額全体で4分の3を占めた訪問販売の他の検挙状況は、被害人員数が4万3202人、検挙事件数が91、検挙法人数が20、検挙人員数が156。 警察庁生活安全局生活経済対策管理官は、被害額ベースで見た主な検挙事例として、「法律で換気の機械を義務で付けないといけない」 「今の新築はみんな義務で付いている」とウソを告げて小屋裏の工事を勧誘した住宅リフォーム系の事件(京都府警、検挙数5名)をあげた。
また、検挙状況の報告書では、訪問販売の検挙事例に、ネット検索や個別配布広告を通じて依頼を受けた事業者による高額請求を行う手口が含まれると説明。 鍵の修理サービスの摘発事例にも触れている。
(続きは2022年4月28日号参照)