アンビットエナジー 日本撤退決定の衝撃
フィールドも寝耳に水、2週間前に国内ツアー
▲約6万人のカスタマーと
最大3千人に達するコンサルタントへ、
日本事業を終了する5月31日までに
電力小売供給の契約先を他社へ
切り替えることを要請した
(写真は4月6日にWEBサイトに掲載した
「電力会社の切り替えのお願い」)
アンビット・エナジー・ジャパンは17年4月、国内初の電気小売り専業MLMとして事業をスタート。大手電力会社の電力量料金より最低1%値下げする
「低価格保証プラン」を主力に売上を伸ばし、20年12月期は前期比11.7%増の75億5700万円を計上。21年12月期も約80億円と増収を果たしていた。
昨年5月には日本訪問販売協会に正会員として加盟。国内MLM業界おいて中堅クラスを抜け出し、大手の域に手をかけていた。最大3千人に達するコンサルタントへ、
日本事業を終了する5月31日までに
電力小売供給の契約先を他社へ
切り替えることを要請した
(写真は4月6日にWEBサイトに掲載した
「電力会社の切り替えのお願い」)
月平均の新規は20年の1800〜2000人に対して、21年は約600人とスローダウン。 これは、20年末〜21年初頭に起きた断続的な寒波とLNG不足等を理由とするJEPX(日本卸電力取引所)の電力調達価格の大幅な高騰で、 電気料金の値上げを迫られたことなどが響いたという。一方で、22年12月期は売上で8〜10%の増収を計画。成長トレンドの継続を視野に入れていた。
新電力市場におけるポジションも上位を獲得。民間の新電力情報サイト、エネルギー情報局がまとめた電力販売量ランキングでは499社中50位(21年12月実績、 大手電力会社を含む低圧部門)につけ、主要プレイヤーの一角を占めていた。このため業界関係者の間では突然に見える撤退の知らせが驚きをもって迎えられている。
同6日にWEBサイトへ掲載した「電力会社の切り替えのお願い」と題する文書では、「昨今の国際情勢をめぐる資源価格の著しい高騰」を理由に説明。 「お客様やコンサルタントの皆様が期待する価値や経験を提供し続けることは極めて困難な状況」(FB投稿より)になったとする。
複数の関係者の話を総合すると、撤退は同社のフィールドにとっても寝耳に水だった模様。FBの投稿は5日の午後だったが、 トップ会員で構成するリーダーシップカウンセル≠窿梶[ダー層のEC(エグゼクティブ・コンサルタント)グループ≠ェ決定を知らされたのは同日の午前だったという。
また、4月5日の決定通知の2週間前、3月20日から同社はファイブスタークラブ≠ニ呼ぶインセンティブツアーを実施。 招待条件を満たしたコンサルタントを北海道旅行に迎え、プレゼントの贈呈や新規昇格者のレコグニションを行っていた。
(続きは2022年4月28日号参照)