2021年度の特商法執行 延べ処分件数、異例の4割減
近年の処分は17年12月の改正特商法施行を境に増加。17~19年度と連続で増やしていたが、コロナ禍が始まった20年度で4年ぶりに減少。やはりコロナ禍が続いた21年度も減らした。
改正法施行後の増加は、業務停止命令(連鎖販売等に対する取引等停止命令含む)や指示に加えて、新設された業務禁止命令の適用が始まった影響が大きく、 その後は、ほとんどの処分で停止命令と禁止命令がセットで出されている。また、禁止命令を除く処分数も増やし、19年度は前年度比28%増の110件が行われた。
一方、2年連続のマイナスとなった21年度は、例を見ない減少幅を記録。延べ処分件数は、東日本大震災の影響を大きく受けた11年度にも大きく減らしたことがあったが、 この時の減少幅である34%を10ポイント上回った。
また、延べ件数自体は16年度の62件や17年度の69件を上回ったものの、当時なかった業務禁止命令を除いた件数は52件となり、 実質的に件数ベースでも過去10年でもっとも少なかった。
実態に近い事業者ベースの処分数は国が10件、都道府県が14件で、前年度比は国が17件の減少、都道府県が3件の減少となった(事業者ベースの処分数は、 業務停止命令・指示・業務禁止命令の同時適用、単一事業者が行う複数の取引の処分、事実上一体となって活動していた複数の事業者の処分など、処分の重複カウントを除いて算出。 国と都道府県の同時処分は各執行主体に重複カウント)。
延べ処分数と事業者ベースの処分数を大きく減らした国は、前年度において、Amazonで偽のブランドバッグなどを出品していた13事業者に対する一斉処分を実施。 この一斉処分をまとめてカウントした場合、国の延べ処分数は前年度比で37%減、事業者ベースの処分数は5件減だった。
(続きは2022年4月14日号参照)