ダイレクトセリング化粧品 活性化するオンライン主軸の施策

ニューノーマル対応の取組み 販売員教育や人材獲得にも
 コロナ禍になって3年目の春を迎えたが、ワクチン接種や治療薬の開発などが進展する一方、感染状況は一進一退の状況が続いている。 第6波はピークアウトしたとみられるものの、新規感染者数は依然多く、引き続きニューノーマルに対応した社会生活が求められている。 ダイレクトセリング化粧品業界では、サロン等の店舗を基軸に、オンラインでも顧客とコミュニケーションを図ったり、 カウンセリングやセミナーなどのサービスを提供できるハイブリッド型の取り組みが増加している。ビジネスの根幹を成す教育・育成についても、 オンラインを積極的に活用することで、リアル施策を補完するとともに、新たな需要を掘り起こす動きが活発だ。

初の完全オンライン講座開講
 ナリス化粧品では、化粧品の製造・販売だけでなく、美容に関わる専門職である、エステティシャン・メーキャップアーティストなどの育成を行う、 「ナリス ビューティ クリエーション カレッジプリダージ」を運営しており、日本エステティック協会や、 JAPAN MAKE│UP ARTIST NETWORKの認定校として検定・資格取得をサポートする教育事業を行っている。同社は、4月1日から、 初めての完全オンラインによる美容資格取得講座「ナリス オンライン ビューティカレッジ」を開始する。
▲自由な時間に自分のペースで学べる
   オンライン講座(ナリス化粧品)
 ナリス化粧品は、約50年前からヨーロッパのエステティックを導入し、日本のエステティックの創生期から、 エステティックの技術や使用する機械と化粧品との相乗効果の研究を続けてきた。1975年からは、エステティックサロンのフランチャイズ展開を開始、 1987年からは日本エステティック協会の認定校として、エステティシャンの育成を行ってきた。 前出の「ナリス ビューティ クリエーション カレッジプリダージ」では、これらのノウハウを生かすことや化粧品会社が母体であることで、 資格取得から独立までをトータルで低価格でサポートできる体制を整備し、美容関連分野に関心のある女性に向けて学びの場を提供してきた。
 従来、美容のサービスは、対面式の接客・施術が基本であり、美容資格の取得講座も、多くはリアルでの講座として開催してきたが、コロナ禍になり、 リアルの講座を自粛せざるを得ない状況にあった。一方、社会のあり方や価値観の多様化が進んだことで、女性の働き方の意識の変化も変化しており、 販売員を対象とした販売力強化の基本セミナーでは、2021年4月~9月の半期において、前年比137%と伸長した。美容関連のスキルを向上させるとともに、 販売力を身につけて自身の事業や活動に結びつけたい女性が増えている。短期間・低価格・少人数制のセミナーで、 短期で収益力の高いエステティシャンを目指すことができ、学びのサポート、講師陣や先輩エステティシャンによる課題サポートのほか、活動場所・シェアサロンの提供、 自宅サロン開業の支援・サポートなど、技術・資格取得後の活動フォローも整っていることから、さまざまなライフスタイルの女性がセミナーに参加している。
 「ナリス オンライン ビューティカレッジ」は、これまで時間や場所の問題、また育児中といった理由で資格取得を断念していた女性や、副業を目指している女性から、 オンライン受講の要望が多く寄せられたことや、カリキュラムの充実化を受けて、完全オンラインスクールして開講する。主な特徴は、①完全オンラインで、低価格。 自分のペースで受講が可能、②個別進路相談で、独立開業支援まで行い、卒業後はフリーランスで働ける、③認定講師による質の高い授業で、 検定・資格取得へのサポートが充実という点。講座は「美肌エキスパート講座」「フェイシャルエステティシャン講座」 「メイクアップアドバイザー講座」の3つが用意されており、それぞれ、「AJESTHE美肌エキスパート(美肌検定)」 「AJESTHE認定フェイシャルエステティシャン」「JMAN認定メイクアップアドバイザー」の資格が取得可能。講義は動画視聴授業、自宅学習のほか、 「フェイシャルエステティシャン講座」では集団講義も行う。自由な時間に自分のペースで動画視聴授業とオンライン相談で学べるスタイルで、 多様化するニーズに応えていく。

新人リクルートもオンラインで
 ポーラでは、オンラインイベントの積極的な活用がみられる。その最たるものが、新規販売員のための重要な接点である「ポーラ リクルート・フォーラム」。

(続きは2022年4月7日号参照)