〝値上げの波〟、ダイレクトセリング業界でも拡大

原材料価格の高騰、製造・物流コストアップで値上げ幅は数%中心、影響抑止へ特典・販促も
  昨年後半より、国内マーケット全体で顕著となってきた値上げの波。長引くコロナ禍や長期の円安誘導政策を背景とした原材料・資材の高騰、輸送コストの上昇、 人手不足に加え、さらには天災なども要因として、食料品や生活用品、電化品、各種設備機器、燃料といった幅広い分野で価格の引き上げが相次ぐ。 この波が押し寄せているのはダイレクトセリング業界も例外ではない。4社の事例をレポートする。

▲ダイレクトセリング業界でも、主力・人気アイテムを含む
   広範な製品群の値上げが始まっている
  (㊨からモデーア社の「ミネラルソリューションズ」、
   ヤングリビング社の「ラベンダー」、
   アフロゾーン社の「エアブラシ・システム」)
   モデーアジャパン(東京都港区)は4月2日より42品目の価格を引き上げる。値上げ幅は5%で、対象製品には会員から人気の高いロングセラーも含まれる。 一方で、値上げが購買に及ぼす影響を抑えるため定期購入特典の強化を図る。
 カテゴリー毎の対象品数はサプリメント・ウェイトマネジメントが17品目、スキンケア・メイクが14品目、ボディ・バス・オーラルケアが9品目、ハウスホールドが2品目。
 もっとも対象数の多いサプリメント類には、ロングセラーの健康飲料「ミネラルソリューションズ」や売れ筋のプロテイン「ミールリプレイスメント」を含む。

(続きは2022年3月10日号参照)

 ヤング・リビング・ジャパン・インク(東京都渋谷区)は4月1日、取り扱う製品の6割~7割を対象とした価格改定を行う。 金額ベースでは各製品あたり「150円~350円」(同)の値上げ。「市場の競争優位性を維持」(同)できる改定としている。
 主力のエッセンシャルオイルは、シングルタイプとブレンドタイプのいずれも大半が改定の対象。売れ筋の一つである「ラベンダー」の場合、 現行の税込み会員価格3850円が改定後は4015円となり、4.3%の値上げとなる。

(続きは2022年3月10日号参照)

 ヒト幹細胞培養液スキンケア「ルビーセル」シリーズを取り扱うアフロゾーンジャパン(東京都中央区)は3月1日、主力美容液の専用デバイスの価格を改定した。 値上げ幅は約66%となり、「製造コストや輸入コストの増加、半導体不足、原油高、輸入・物流における人員不足」(同社)などを要因に踏み切った。
 改定したのは「エアブラシ・システム」。美容液をミスト化して顔に吹き付けるための電動スプレーガンで、同社スキンケアユーザーの必須アイテムとなっている。

(続きは2022年3月10日号参照)

 ダストコントロール最大手のダスキン(大阪府吹田市)は3月1日、モップなどの価格改定を行うと明らかにした。 主要商品について7月1日付で約3~6%の値上げを実施する。ダストコントロール商品をレンタル・販売する同社の「クリーンサービス事業」は、 訪販グループ売上の約4分の3を占める主力。同事業において「現在の品質を維持しながら安定して商品の提供を続けていくため」(同社)に必要としている。
 改定の理由は原材料価格の高騰、製造・物流コストの上昇。原材料の調達の見直し、生産・物流の効率化などに取り組んできたが、 「自助努力だけでコストアップを吸収することが難しい状況」(同)と判断した。

(続きは2022年3月10日号参照)