ダイレクトセリング化粧品 新規顧客の導線がカギ
これに対し、国内ECは、売上構成比は5.0%と全体に占める割合は小さいものの、前期比1.6の上昇。売上伸長率では、49.8%増と大幅に伸びた。 その他のチャネルをみると、海外は売上構成比が18.8%(+3.4ポイント)、売上伸長率が24.6%増、百貨店・BtoBは売上伸長率が7.8%(+0.3ポイント)、 売上伸長率が6.8%増となっており、委託販売チャネルの不調が目立つかたちになった。
ポーラは現在、多様化が進む消費者ニーズに合わせ、ダイレクトセリングを生かした柔軟な販売チャネルの設計、利便性向上を図っている。 特に、ECやオンラインツールでポーラに接触した新規顧客(見込み含む)を、サロンをはじめとするリアルチャネルに接続する取り組みを強化している。 昨年11月には、公式スマートフォンアプリ「PORTAL by POLA」の提供を開始。同アプリでは、ポーラの研究知見が裏付ける情報をベースに、地域や季節、 肌悩みなどに応じた美容情報、多様な視点から身の回りのさまざまな物事の本質を探るライフスタイル、アートやカルチャーなど計100以上のコンテンツを配信している。 また、店舗の検索、お気に入り店舗で実施をしているキャンペーンやイベントなどの情報発信・申し込みなど、店舗体験への利便性を高め、 デジタルからリアルへの導線確保に努める。また、委託販売におけるオンライン決済・直送を導入したほか、 ビューティーディレクター(BD)のオンライン活動が収入に反映される仕組みを整備。減少するショップ数、BD数に対しては、 昨年から行っている「法人設立」モデルを推進し、販売員のプロフェッショナル化をさらに進め、事業の持続可能性も強化していく。顧客のリピートだけでなく、 BDの離職率低下、組織としての顧客管理を行っていくとしている。サロンにおいては、1月にエステメニューを刷新したほか、 フルリニューアルした最高峰ブランド「B.A」やヒットアイテム「リンクルショット」など、高付加価値ラインナップを前面に押し出し、独自性を打ち出す構え。
(続きは2022年3月3日号参照)