国セン 消費者トラブル、AIで早期検知へ

民間と実証実験、PIOデータを分析

  消費者苦情データベースのPIO―NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)を運用する国民生活センター(東京都港区、山田昭典理事長)は、 苦情データをAI(人工知能)で解析し、増加傾向にあるトラブルや従来みられなかったトラブルを把握するための実証実験に着手した。人の手に頼っている現状の手法に比べて早期の把握を目指し、 消費者への注意喚起や被害拡大の抑止、悪質業者の法執行などに役立てたい狙い。
 昨年11月~12月、企画競争形式で「新たな相談データ解析手法等に係る研究委託業務」の委託先を募集。1月7日に、文章解析AIの開発などを手掛けるインサイトテック (東京都新宿区、伊藤友博社長)と随意契約を結んだ。契約額は2695万円(税込み、募集時の上限額と同じ)で、業務実施期間は1月31日~7月29日の6カ月間。
 イ社は、生活者の不満を集めて価値化するという〝不満買取センター〟を運営。同事業で集めた約3000万件のデータをもとに、自然言語処理技術を活用した文章解析AIを開発したという。
 委託事業では、イ社の技術を用いてPIO―NETにテキストとして蓄積された苦情相談データを解析。増加傾向にあるトラブルや、 新たな手口によるトラブルを早い段階で検知する仕組みの確立を目指す。

(続きは2022年2月24日号参照)