ダイレクトセリング化粧品 「おうち美容」のテコ入れ相次ぐ

「エイジングケア」「美白」人気根強く コロナ禍長期化でマスク対応強化
 新型コロナウイルスの国内新規感染者数は、昨年夏の第5波以降減少傾向にあったが、オミクロン株が猛威を振るう第6波は、 これまでにない規模で感染が拡大している。一時期は収束に向けた明るい見通しも見えたが、依然として一進一退の状況にある。 ダイレクトセリング化粧品分野は、ニューノーマルに対応した商品・サービスの提供に力を入れている。 コロナ禍という未曾有の事態によって変化した消費者の価値観やライフスタイルは多様化の一途を辿っており、コロナ禍前と比べても、 より柔軟に対応できる姿勢が求められている。美白やエイジングケアといった2大ニーズに加え、 マスク荒れ≠竍マスク映え≠焜Rロナ禍の中で需要が増えている。

最高級スキンケアが自宅ケア需要開拓
コロナ禍で外出機会が減少し、化粧品市場ではリップなど一部アイテムの需要が落ち込んでいる。一方で、アイシャドウなどの目元を彩るメイク品は、 マスクで下半分が隠れた顔を演出する重要なアイテムとして需要が増している。また、在宅時間が増えたことに加え、 テレワーク時のオンライン会議などで自身の顔を見る機会も増えたことから、自宅でセルフケアを行う「おうち美容」のニーズも増えている。 ダイレクトセリング化粧品各社は、これらの需要掘り起こしを図っている。
▲売上が伸長した
  「セルグレース フォーミュラ」
(ナリス化粧品)
 ナリス化粧品では、は、2006年から発売している最高級スキンケアブランド「セルグレース」の美容液「セルグレース フォーミュラ」の累計販売本数が、 2021年12月で120万本を突破したことを受け、1月21日から期間限定で感謝記念キャンペーンを行っている。「セルグレース」は、 1995年にデビューしたロングセラーのスキンケアブランド。50代以上の女性の肌の変化に着目した研究に基づいて開発した最高級価格帯のスキンケアブランドで、 現行の4代目「セルグレース」は、2013年から展開している。肌の水分量の減少に対し、必要な水分や潤い美容成分をしっかりなじませ、届け、留めるという。 ラインナップは、洗顔料3種、ふき取り化粧水、化粧水、化粧液、美容液、乳液、クリームの全9品。
 コロナ禍の「おうち美容」「プチ贅沢」需要を背景に、美容液「セルフグレース フォーミュラ」が人気を博しており、前年比116%と大きく伸長した (2020年4月〜2021年3月の実績)。2021年12月には、2006年度からの美容液「セルグレース フォーミュラ」の累計販売本数が120万本を突破した。 これを受けて、同社は、「フォーミュラ」を期間限定・特別価格で販売するキャンペーンを実施している。美容液「セルグレース フォーミュラ」 (30ミリリットル・税込1万6500円)と、ジェル状化粧液「ジュレ」(50グラム・同1万4300円)をセットにし、税込1万6500円で販売する。 また、それぞれの単品も20%オフで販売する。

基幹ブランドテコ入れで巻き返し
 ポーラは、コロナ禍1年目の2020年は緊急事態宣言に伴う店舗休業や、海外需要の落ち込みを受けて大きな打撃を受けた。同2年目の2021年は、 コロナ対応のサロンビジネスを展開するとともに、EC、海外市場などをテコ入れして巻き返しを図った。商品政策では、最高峰ブランド「B.A」を軸に、
▲最高峰ブランドの新アイテム
  「B.Aローションイマース」(ポーラ)
「おうち美容」需要の掘り起こしを図る。
 3月1日には、「B.Aリキッドファンデーション」と「B.Aデイセラムリキッド」を発売する。 2品は、水分やアセトアルデヒド・二酸化窒素といった有害物質を含む「空気」と、紫外線などの「光」をポジティブに活かすという発想に加え、 夏の過酷な肌環境に着目したアイテム。汗や皮脂でくずれにくい処方を採用し、ハリ・ツヤのある肌を演出する。 また、4月1日には、糖化汗≠ゥによる大人の毛穴ダメージから肌を守る保湿化粧水「B.Aローションイマース」を発売する。 ポーラグループのこれまでの研究によって、汗の中に含まれるタンパク質が糖化すること、 大人の肌悩みの1つである「毛穴目立ち」のリスクが糖化汗≠ノあることが分かった。同商品では、新商品では、糖化汗から毛穴をバリアする新処方を採用し、 透明感のあるハリ肌をサポートするという。

ストレスケアやプラスワンアイテムも
 シーボンでは、1月1日に新エイジングケアブランド「シーボンルミナス」シリーズ3品を投入した。 同社が長年培ってきたサロンケアとエイジングケアの研究開発成果をフィードバックした新シリーズで、ラインナップは、化粧水、美容液、 保湿クリームの3品(美容液と保湿クリームは3月1日の発売)。「ルミナス」の名称は、2021年の創業55周年記念アイテムとして期間・ 数量限定で販売されているエイジングケア美容液「シーボンルミナスバイオセラム」で採用されている。
 同社が実施した調査によると、現代女性の86.8%がストレスを感じており、その際肌に何かしらのトラブルが起きたことのある人が6割以上に上ることが分かった。 また、「肌の調子が良いと前向きで幸せな気分になれる」という回答は約8割に上った。同社では、肌とストレスの関係性に着目し、 サロン帰りの輝く肌≠体現するスキンケア製品を開発した。特徴成分として、植物エキスを組み合わせた独自の複合成分「スプリングシグナルEX」を配合。 ストレスケアと角層細胞アプローチによって、うるおいが巡る輝く肌へ導く。コロナ禍でストレスを抱えている女性が増えている中、 同社は「シーボンルミナス」シリーズによって、ストレスによる肌ダメージに先回りしてケアしながら、肌ケアとストレスケアの両面でのサポートを訴求する。
 エフエムジー&ミッションでは、LG生活健康グループのシナジー効果を活かし、韓国発の「VDL」シリーズなどを立て続けに投入している。 需要が増えている目元メイクや、マスクへの色移りなどマスク着用に対応したリップなど、メイク品の展開が多くみられるが、 スキンケアアイテムのラインナップ強化を図っている。4月1日には、美白ライン「ミッション ホワイト」から、薬用集中美白クリーム 「ミッション ホワイト スポット シューター」を発売する。シミができるメカニズムに着目したスポット用の美白クリームで、天然の美白有効成分「コウジ酸」を、 シリーズ史上最高量で配合した。また、皮膚常在菌の一種「スキンフローラ」に着目した「ミッション ブルーミング ドロップ」(3月1日発売)は、 ベーシックなスキンケアにプラスワン≠ナ使用することで、肌のコンディションを整えて、年齢や環境の変化、マスク生活で乱れがちな肌をケアするアイテム。 「おうち美容」を充実させるアイテムと位置づけている。

(続きは2022年2月3日号参照)