国センのADR処理概要より 和解不成立の5事業者を公表

クレカ補償、屋根改修、投資、配管洗浄
 ADR(裁判外紛争処理手続)による消費者トラブルの和解仲介・仲裁を行っている国民生活センターは21年12月23日、21年度第3回分の処理結果概要で、 和解に至らなかった5事案の計5事業者を公表した。各事案はカードの不正利用の補償、屋根改修、USBメモリ投資、配管洗浄の解約・返金トラブル。
いずれも事業者が仲介手続きの期日への出席や答弁書等の提出を拒んだ。
【キャッシュカードの不正利用に関する紛争(2)/クレジットカードの不正利用に関する紛争(42)〜(45)】
 20年7月下旬、自宅2階で就寝中、1階に置いていた財布からキャッシュカード等を盗まれ、暗証番号を入力して預金が出金される等の不正利用を受けた。 カード会社4社に紛失と利用停止を申し出て、不正利用分の全額補償を求めた。
 仲介手続きで「株式会社セブン・カードサービス」(東京都千代田区)は、暗証番号が一致していることから補償せず、和解の仲介手続に協力しないと返答。 国セン法に基づく期日への出席要求にも応じなかった。期日に出席した他3社は、うち1社と一定額を補償する条件で和解。 残り2社とは和解成立の見込みがなく手続きを終えた。
【屋根改修工事の返金等に関する紛争(4)】
 21年1月、自宅を来訪した「株式会社リオテック」(神奈川県川崎市)から「瓦がずれている。雨漏りするし、いつ落ちてもおかしくない、落ちたら大変だ」 と言われ、屋根の点検を勧められた。その後、電話で再び勧められて承諾。点検後、500万円で修理する契約を結んだが、 話を聞いた長男から高額ではないかと言われ、解約のため消センに相談した。
 ADRでは、見積もり目的の来訪要請であり特商法の適用除外に該当しないことや、書面不備を理由としたク・オフが可能と考えられると判断。 しかし、事業者による答弁書の提出や期日への出席はなかった。

(続きは2022年1月20日号参照)