書面電子化・第5回ヒアリング 承諾の取得、訪問時と「別の機会」に
一旦退去型営業、訪販該当の判例強調 オンライン完結の特役、限定案も
改正特定商取引法の「書面電子化」運用ルールの策定を目指している、
消費者庁の「特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会」は21年12月21日、
オンライン開催した第5回ワーキングチーム(以下WT)で消費者団体2カ所と事業者団体1カ所をヒアリングした。
消費者側は、電磁的交付の要件となる消費者の承諾を勧誘時以外に行うことや、オンライン完結型の特定継続的役務提供に限定した電子化を提案。
事業者側はデジタル完結可能な交付手続きを求めた。第6回のWTは2月以降の予定。
オンライン完結なら電磁的承諾「許容」
第5回WTに出席した組織および意見者は@京都消費者ネットワークの野々山宏理事長、増田朋記事務局長、A消費者機構日本の佐々木幸孝代表理事、
Bソフトウェア協会の原洋一事務局長、富山浩樹サツドラホールディングス社長兼CEO、久保智人サ社総務・法務チームチームリーダー。
@は、電磁的交付の承諾を誘導する行為の禁止を求めるとともに、承諾の取得は勧誘と「同一の機会」に行うことを認めず、
「別の機会」に行われる必要があると提案。その理由として、訪問販売と電話勧誘販売における不意打ち性や、
連鎖販売と業務提携誘因販売における利益誘因性を指摘した。承諾の取得方法には、紙の書面による取得や控えの交付を提案した。
「別の機会」に承諾を取得する場合でも、訪問先から退去して電話等で申し込みを受ける一旦退去型≠フ営業は、
訪問販売への「該当性が失われるものではない」「一連の営業活動を通じて訪問販売と評価されるということになると思う」と強調。
一旦退去型♂c業で契約したゴルフ会員権のク・オフを認めた96年の東京地裁判例を例示した。
一方、規制内容に勧誘形態を含まない特定継続的役務提供は、契約内容の履行まで全てオンラインで完結する場合に限り、
WEBページのチェックを除いたメール等による電磁的承諾を「許容し得る」とした。
PDFの開封確認、返信受信を要
Aは、訪販等の取引類型の不意打ち性、利益誘因性、契約内容の複雑性を理由に、当面、
電磁的交付を認める類型をオンラインで完結する特定継続的役務提供に絞って「段階的に試行」するアイデアを説明。
その後は「消費者トラブルの発生状況をモニタリングしながら進めていくのが適切」とした。
(続きは2022年1月20日号参照)