ダイレクトセリング化粧品 リアル・デジタルの融合進む
42社のうち、エステサロンや地域密着型の店舗といったビジネスモデルを展開している企業は19社となっており、約45%の企業がサロンビジネスを導入している。
従来型訪販から進化した対面型のカウンセリング販売として20年以上にわたって業界に行き渡ったサロンビジネスは、ドア・ツー・ドアなど従来の手法によるアプローチが困難な時代に、 立地に合わせた手法でカウンセリングやエステ、商品販売を行う「見える化」の施策として登場し、シーボンやCPコスメティクス、 ワミレスコスメティックスといった老舗化粧品企業が先駆けとなって業界に定着してきた。2000年代に入ってポーラが大規模なサロン展開を推進し、 全国に「ポーラザビューティー(PB)」をはじめとする拠点網を構築。また、ナリス化粧品がセルフエステサロン「デ・アイム」を独自に展開するなど、 社会構造の変化や女性の価値観の多様化に合わせて、顧客接点のあり方を柔軟に変えてきた。この流れに沿ってサロンビジネスを取り入れる企業が大幅に増加し、 新規ユーザーの間口を広げる施策として業界に定着した。
コロナ禍において、「人と人の接触による感染リスク」という事態が発生したことで、サロンは一時的に休業を余儀なくされた。2020年春先に最初の緊急事態宣言が発出され、 サロンという密閉した空間での施術や接客は躊躇されたが、その後はサロンで十全な感染防止対策を講じて安全性を確保し、営業を継続している。 コロナ禍の中で、オンラインによる事前カウンセリングやバーチャルメーク、ビデオ会議ツールを用いたイベントや講習など、デジタル・リアル双方のメリットを活用した施策が相次いで導入され、 時代の変化に柔軟に対応する動きがみられる。
(続きは2022年1月20日号参照)