迫り来るインボイス、業界の対応は

外部販売員等との取引、83%が「ある」
インボイス登録要請、2/3は「未定」「検討中」
「開始反対」が28%、最多は「何ともいえない」

 来年10月に正式スタートする「インボイス制度(概要参照)」がダイレクトセリング業界の懸念材料となっている。 販売現場を支える訪問販売の委託・契約販売員や代理店、連鎖販売のディストリビューターなどには、いわゆる免税事業者が少なくない。 が、インボイス制度が始まると、これら免税事業者に消費税を上乗せして手数料や報酬を支払っている会社は、 同事業者から適格請求書(インボイス)の発行を受けなければ、上乗せした消費税の仕入税額控除ができなくなる。 そこで本紙は、同制度への対応等を聞くアンケート調査を実施。47社(回答企業参照)の回答をまとめた。

販売・勧誘の外注

 消費税の納付額は、課税売上に関わる消費税額から課税仕入れ等に関わる消費税額(=仕入控除税額)を控除して算出される。 課税仕入れの主な対象は原材料の購入や生産設備の投資、広告宣伝費、事務費など。DS業界では訪問販売の委託・契約販売員や代理店、 連鎖販売のディストリビューターなどに支払う手数料・報酬が、外注費として対象になる場合が多い。
 そこでアンケートでは、自社の製品・サービスの仕入れ・販売を行ったり、新規顧客開拓を担う外部の〝事業者〟との取引があるか質問。 集計の結果、全体の83%が「取引がある」(39社)と回答した(グラフ1参照)。取引する事業者の形態は、 訪問販売における委託販売員や連鎖販売のディストリビューターが目立った。「取引がない」(8社)とした残り17%には、 正社員による訪問販売や契約販売員への卸売りなどがみられた。

消費税の上乗せ

 次に、「取引がある」とした39社に、仕入れ・販売や新客開拓を担う事業者へ支払う手数料・報酬に、消費税を上乗せしているか調査。 回答が得られた38社のうち、「上乗せして払っている」(33社)とした企業が87%で大半を占め、 「上乗せしていない」(5社)は13%にとどまった(グラフ2参照)

発行登録の要請

 続けて、仕入れ・販売等を担う事業者との「取引がある」とした39社に、当該事業者に対して、 適格請求書(インオボイス)を発行できる「適格請求書発行事業者」(課税事業者)への登録を求めるかどうか聞いた。
(続きは2022年1月13日号参照)