モデーアジャパン 新年インタビュー 2022年の展望は ㊤
MLMビジネスのオンライシフトの進展、カスタマー(=愛用会員)の根強い購買に支えられ、 コロナ禍が続いた2021年度も堅調な収益を達成したモデーアジャパン(本社・東京都港区、大井盛夫社長)。 同年度は、シニア層のリアルでの活動をサポートする措置やWEB上の写真投稿企画などによっても、ビジネスモデルの柱に据えるカスタマー獲得を進め、 手応えを得た。大井社長に話を聞いた。
(インタビュー実施日は21年12月2日)
大井 盛夫 社長
―――今期(=21年12月期)の業績見通しを伺いたい。売上高は。
「具体的な数字は公開していないが、前年並みの見通し。1年を月別で見ても、そんなに波はなかった」
―――コロナ禍の第3波~第5波の影響は。
「それで数字が特に上下したということはなかった。それよりも物流関係が滞ったインパクトのほうが大きい。 ただ、事前に様々な対策を取ったので、マイナスの影響は抑えられた」
―――利益面はどうだったか。
「売上より少し良くなると思う。在宅勤務が進み、『(全国大会の)ソーシャルリテールカンファレンス』は昨年(=2020年)に続いてバーチャルで開催した。 オンライン化を進めた会社はどこも同じ傾向が見られると思うが、財務的にはヘルシーとなった。
経費の削減につながった分は、ソーシャルマーケター(=ビジネス会員)への還元や、システム整備などの投資に回すことができた。 コロナ禍が始まった昨年は、期の途中からオンラインへの転換を余儀なくされたが、今年(=2021年)は最初からオンラインでと決めていたので、 より賢いお金の使い方をできたと思う」
―――新規登録の状況は。
「ソーシャルマーケターは、昨年より多少増えた。一方で、カスタマー(=愛用会員)は減らした。減少の背景には、今年の春に始めたキャンペーンの中で、 ランクの維持等に関わる一部条件を見直した政策的影響が含まれる」
投稿してもらうフォトコンテスト
「SHARE THE MOMENT」
(=写真)は、21年12月までに
計6回が開かれ、カスタマー獲得を目的
とした会員による声かけ、ブランド認知
向上などに寄与
「『ブロンズ』と『シルバー』の2つのプロモーター型ランク(※)に関して、ランクの維持に必要なアクティブカスタマーの人数を通常は5人のところ、 1人に引き下げた。
また、65歳以上は必要なアクティブカスタマーを免除し、『カスタマーポイント自動振替シニアサービス』という特例措置を始めた。 月の購入ボリュームが(ボーナス取得条件の)150ポイントを上回った場合、 その分のポイントを『カスタマーポッド(=傘下カスタマーの購入ボリューム)』に自動的に振り替えた」
―――ランク維持条件の緩和等の狙いは。
「ランクアップの後押しなどになるが、さらに言えば、高齢の方へのアプローチをリアルでもサポートしようと考えた。 現在、ソーシャルマーケターの約2割が65歳以上。当社は2015年にブランドチェンジして、デジタルを積極的に活用してきたが、 その2割の方のデジタル化は進むようで進まない。製品をお勧めする相手の方にも、カスタマーに登録して、 自分でWEBから注文するといったことがまだ難しい方が少なくない。
そこで、WEBが苦にならない年配のソーシャルマーケターに対して、自分で注文した製品を周りのデジタルが不得手な顧客に小売りしたり、 頼まれた製品を届ける旧来のやり方へのインセンティブを強めた。
WEBが苦手な方に無理にカスタマーになってもらったりするよりは、仕組み自体をシンプルにしたほうがいい。 そのため、会社のデータベースで把握するカスタマーの数は減ったが、年配のソーシャルマーケターに紐づいた、会社の目に見えないカスタマーは増えている」
―――「カスタマーポイント自動振替シニアサービス」の運用状況は。
(続きは2022年1月6日号参照)