書面交付の電子化 過半数がネガティブな意見に同調
改正特定商取引法における「書面交付の電子化」をめぐり、北海道が「消費生活モニター」を対象に実施したアンケート調査によると、 消費者保護機能を損なうといったネガティブな意見を選ぶ回答が過半数を占め、訪問販売等の取引類型で電磁的交付を望む割合は数%にとどまった。
アンケートは8月、道消費生活条例に基づく消費生活モニター300人へ調査票を郵送して実施。256人から回答を得た(回答率85.3%)。 回答者の年代は20代=2.7%、30代=11.3%、40代=15.6%、50代=18.4%、60代=27.3%、70代以上=24.6%。
アンケートでは、電子化に対するポジティブな意見とネガティブな意見を例示して、どちらにより近い意見をもつかを調査。
ポジティブな意見には〝デジタル技術を活用することにより消費者の利便性の向上が図られる〟〝社会や経済のデジタル化を踏まえて、 電子メールなどにより必要な情報を受け取りたい消費者のニーズにも応えられる〟という2つの意見を例示。 ネガティブな意見には〝クーリング・オフ事項の告知など書面交付の消費者を保護する機能が損なわれる可能性がある〟 〝書面のようには発見されにくいため高齢者の見守り機能が果たせなくなる可能性がある〟 〝事業者主導で進められてしまい電子交付に関する「消費者の承諾」が形骸化する可能性がある〟という3つの意見を例示した。
結果、ポジティブな意見に近いとする回答は7.7%にとどまり、ネガティブな意見に近いとした回答が55.2%と過半数を占めた(有効回答248人)。 残りは「どちらとも言えない」が18.5%、「わからない」が17.3%となった。
次に、訪販などの取引で電磁的交付を受けることを望むかどうかを調査(グラフ参照、有効回答247人)。 最多は「わからない」の36.0%となり、この次に多かった「オンラインで完結する取引以外は望まない」が29.1%を占めた。
(続きは2021年11月18日号参照)