東京都の消費者政策 ネット広告の取締り、専門的人材を活用へ

18歳成人¢ホ応強化、求める意見相次ぐ

 東京都の消費者行政の基本方針を定めた5カ年計画「消費生活基本計画」の改定作業を進めている都・第26次消費生活対策審議会は、 10月12日にオンラインで開催した第2回合同部会で、重点課題と今後の対応の方向性をまとめた中間案を審議した。 案では、不適正取引行為排除における課題として、実体が不明瞭な事業者によるインターネット上の誇大広告を取り上げ、 専門的人材の登用・アドバイスによる取り締まり強化の必要性に言及。委員からは、来年4月に迫った18歳への成年年齢引き下げに関し、 周知や対応の強化を求める意見が相次いだ。案は11月の総会で正式承認の後、パブリックコメントを経て、 来年2月の答申を予定。答申の内容は、23〜27年度の次期計画に反映される。
 案では、消費者被害の未然・拡大防止のため悪質事業者の指導・処分を強化していく上での課題に、実際の内容や金額が表示と異なるインターネット広告を指摘。 このような広告を行う事業者は名称、所在地が次々に変わり、取り締まりが難しい点も課題にあげた。
 また、実体が不明瞭ではない事業者の場合も、表示内容が頻繁に変わることなどから、問題のサイトの特定や広告内容等の確認は、 ネット広告の仕組み・技術に関する高度な専門知識が求められるとした。
 このため、特定商取引法や消費者安全法、景品表示法の執行において専門的人材を登用したり、同人材から適切なアドバイスを受けられる体制を確保する必要性に言及。 合わせて、ネット通販事業者の処分で先行する消費者庁と「調査手法等について積極的な情報交換を行っていくべき」(案より)としている。
 アフィリエイト広告関連のトラブルについても、都がオブザーバー参加する同庁の「アフィリエイト広告等に関する検討会」を取り上げ、 法制度の検討も見据えた国、業界団体との連携の必要性に触れた。

(続きは2021年10月28日号参照)