東京都の2020年度「消費者相談件数」

訪販…4年ぶり減少、「屋根工事」「水回り修理」は増加
マルチ…過去5年で最少、上位に「情報商材」「投資」

 東京都が10月8日までにまとめた2020年度の「消費生活相談年報」によると、 販売購入形態別の相談件数(苦情・問合せ・要望の合計)は「訪問販売」と「マルチ(まがい)商法」のいずれも前年度より減らした(グラフ参照)。 訪問販売は屋根工事や水回り修理など住宅設備関連の相談が目立ち、マルチは情報商材・投資関連が上位に入った。年代は、訪問販売で高齢者が半分近くを占める一方、 若い層の構成比も高めた。マルチは?歳代以下が6割近くを占めた。

屋根工事6割増 水回り2.8倍

 「訪問販売」の相談件数は前年度比3.0%減の1万509件。17〜19年度に連続で増加させていたところ、4年ぶりの減少となった。
 相談の多かった商品・役務の上位3品目は@工事・建築・加工A修理・補修B役務その他で、すべて住宅設備関連。前年度比と件数は、@が23.1%増の2120件、 Aが104.4%増の1312件、Bが40.1%増の1215件。@〜Bで訪問販売相談全体の44%を占めた。
 @の内訳をみると、1089件に達した「屋根工事」と317件だった「衛生設備工事」で3分の2を占めた。特に屋根工事は、前年度比で59.9%増と大幅に増やし、 504件だった18年度との比較は2.6倍の急増となった。
 Aは、1303件に達した「修理サービス」がほとんどを占め、前年度比は105.2%増。いわゆる暮らしのレスキューサービス♀ヨ係の相談を増やした影響が大きく、 その中でもトイレの詰まり解消・修理に関する相談件数が約2.8倍の954件に達した。
 年報では数百円等の格安料金を表示する事業者を呼んだところ、次々に作業を提案され、最終的に数十万円の高額な費用を請求された%凾フトラブルが多かったとしている。
 Bは、火災保険などで住宅の修理ができると謳う業者による保険申請代行サービスに関する相談が目立った。また、905件で4位だった「電気」においても、 前年度比31.2%増と引き続き増加傾向がみられた。

カジノ、アフィリエイトも目立つ

 「マルチ(まがい)商法」は同23.3%減の1338件。過去5年度で最少の件数となった。
 上位3品目は@放送・コンテンツ等A内職・副業Bファンド型投資商品で、前年度比と件数は@が50.0%増の168件、 Aが33.6%減の158件、Bが7.5%減の136件。
 上位3品目で唯一増加した@は、117件だった「他のデジタルコンテンツ」が7割を占め、 SNSNをきっかけとする情報商材のトラブル等の相談が多く寄せられたとしてい。
 一方、減少した2〜3位は、Aは「オンラインカジノ」や「アフィリエイト」関連の相談、Bは「仮想通貨」などへの投資に関する相談が目立った。


(続きは2021年10月21日号参照)