ナチュラリープラス 田嶋隆志社長に聞く「方針と戦略」 ㊦

ビジネスのデジタル化、コロナで前倒し 22年8月期 グループ12カ国で二ケタ増収目標

▲ナチュラリープラス 田嶋 隆志 社長
 前号(9月16日号1面、記事末尾に補足)に続き、ナチュラリープラスの田嶋隆志社長に、21年8月期の取り組みのポイントや今後の見通しを聞いた。
(インタビューはZOOMで8月31日実施)


社内企画のお宅訪問番組が人気

  ―――2年前に立ち上げた動画配信プラットフォームの「NP FAN'S TV(以下ファンズTV)」や、 ファンズTVと両輪をなすトレーニングプログラムの「NP FANCLUB(以下ファンクラブ)」が、コロナ禍でのビジネス推進に寄与した。 現在、それぞれの参加登録数は。
 「『ファンズTVは』4200人を超えた。『ファンクラブ』は4000人くらい。どちらも過去1年で1000人以上増えた」

  ―――「ファンズTV」のコンテンツ数は。
 「常時190以上のコンテンツを用意している。これまで提供してきた数は250以上。一部の番組は無料で視聴できる」」

  ―――人気の配信は。
 「リーダーのお宅を訪問してインタビューする番組や、リーダーになるまでの軌跡をたどる番組が好評。 番組を見て『その人を見る目が変わった』とか、『好感度があがった』といった感想をもらう」」

  ―――番組の企画や制作は。
 「社内でやっており、企画のほとんどは私が考えている」」

  ―――「ファンクラブ」登録者を対象とした、ビジネスへの動機付けを目的とする「フェロートレーニング(以下FT)」の実施状況は。
 「過去1年で5000~6000人が受講した。配信は1回あたりのアクセス数が2000件を超える。 『FT』を始めて、全国のリーダーの間に共通言語ができあがり、ビジネスの方向性が定まりやすくなった」」
リアルセミナーの開催、参加数抑制

―――今期(=21年8月期)におけるコロナ禍の影響を伺いたい。まず、影響のネガティブ面はどうか。
 「リアルのセミナーを控えざるを得なかったことは、やはり困った。特に表彰。昨年から始めた宿泊研修の『オーナーズリトリート(※)』では、 参加者に私から認定証を渡しているのだが、今年は1回しか開催できていない。『行けます』という人たちだけでやれなくはないが、 全員に来てもらうことで価値が生まれる。とにかく集まりにくい状況には頭を悩ませている」」

  ―――他の集まりへの影響は。
 「『FT』は、参加できる人数を半分に減らしており、キャンセル待ちが300人くらいになることがある。 大きな会場を使ったりもしたが、緊急事態宣言が出るような状況では開催すること自体を問う意見も出てくる。 万が一が許されない以上、会社として慎重な対応が求められる」」

  ―――輸入ルートや原料調達プロセスへの影響で、欠品等を生じる事例が業界で見られる。御社はどうか。
 「昨年、キャンペーンを行った(オーラルケア製品の)『ラクトエア』の注文が大幅に増え、一時的に在庫が不足したことはあったが、 それ以外で問題が起きたことはない」」

  ―――ポジティブ面の影響は。
 「『ファンズTV』などで推進してきたビジネスのデジタル化が前倒しされた。 仮に今、リアルのセミナーを一切できなくなったとしても現場が回っていくと思えるくらいに、オンラインによる互換が進んだ」」
 
WEB活動のみのリーダーが誕生

―――具体的には。
(続きは2021年9月23日号参照)