ダイレクトセリング化粧品 コロナ禍での顧客接点創出
ダイレクトセリング化粧品分野ではこれまで、商業施設でのブース出展や、美容分野に関心をもつ異業種とのコラボレーションによるイベント企画など、 販売組織以外の接点を創出し、ブランド訴求および新規顧客の獲得する手段が盛んに行われてきた。サロン展開もまた、 一般消費者の目に止まりやすい接点として有効活用されてきた。コロナ禍で人同士の“非接触”が推奨され、これらの施策が軒並み中止となったことで、 デジタルツールを使ったオンラインイベントへのシフトもみられる。現在は、依然としてコロナ禍の只中にあるものの、 感染防止対策の強化やワクチン摂取が進んだこと、リアルとデジタル双方を活用した接点創出が行われている。
ポーラは、コロナ禍以前はブランディングの一環としてさまざまなコラボレーション企画を開催してきた。 その1つが、メルセデス・ベンツ日本とのコラボレーションイベントだ。 同企画は、「一歩前へ進もうとする女性たちを応援する機会を提供したい」という想いを共有する両社が、 さまざまなコンセプトに基づいて、東京・六本木にあるブランドストア「メルセデスミー」で実施。イベントでは、
コロナ禍での新たな施策としては、ファッションショーでのスキンケアおよびメイクのバックステージを担当する取り組みを開始した。 初舞台は、7月に京都で開催されたファッションショー「TOMO KOIZUMI COLLECTION2022」で、 最高峰ブランド「B.A」シリーズが使用された。バックステージを担当したのは、ポーラのメークアップディレクターで、 新体操日本代表「フェアリージャパンPOLA」のメイク、美容サポートを行う美容チーム。 バックステージでの様子や実際のショー風景は公式ホームページで公開されたほか、期間限定でポーラギンザのウィンドウディスプレイで、 ショーで発表されたコレクションの一部を展示した。また、9月2日に東京・渋谷で開催された 「Rakuten Fashion Week TOKYO」にも参加し、バックステージを担当した。
同社はまた、オンラインイベントも積極的に活用している。その最たるものが、新規販売員のための重要な接点である「ポーラ リクルート・フォーラム」。 ビューティーディレクターという働き方を、業務内容から教育体制、報酬、福利厚生などさまざまな角度から紹介する同イベントは、 「美容のプロ」を獲得する接点として活用されている。コロナ禍前までは全国各地でリアル開催されていたが、 現在はオンライン開催に切り替えて参加者を募っている。オンライン開催は、さまざまな事情で開催場所に赴くことが難しい場合でも簡単にアクセスできる。
商品政策では、「B.A」をテーマとしたビューティーレッスンをオンラインで開催しており、 参加者には「B.Aローション」サンプルをプレゼントして新規ユーザーへのフックとしている。「ポーラザビューティー」では、 地域に根ざした情報をSNSなどを活用して発信。また、利用者のためのカウンセリングはオンラインで行ってサロン滞在時間の短縮を図るなど、 リアル・デジタルを組み合わせてコロナ禍におけるサロンビジネスを継続している。
WLBは、コロナ禍の影響で関連イベントの中止・延期があるものの、 4月に開催された日本最高峰の〝美〟のコンテストである「ミス日本コンテスト」のメイクサポートを行うなど、活動を継続している。 「WLB」はこれまで着物ショー「日本の美を愛でる」をはじめ、数々のショーやイベントのバックステージを担当しており、そのチームに選抜されることは、 販売員、特に若手にとっては憧れ、目標になっている。コロナ禍で活動が制約を受ける中、アナログ・デジタル双方で情報を発信し、 モチベーション維持を図っている。公式ブログではさまざまな視点で美容ケアを紹介し、販売員、顧客のつながりを確保している。
サービス(シーボン)〝
ナリス化粧品では、兵庫県三木市の兵庫工場敷地内の研修センターを、ニューノーマル時代に合わせて改装し、 7月7日にリニューアルオープンした。メーキャップアーティストやエステティシャンなど専門技術をもつ社員が、 ライブ配信や動画撮影を行う「発信スタジオ」や、オリジナル口紅づくりなどのリアル体験ができる体験スペース「ナリスラボ」などを新設。 全国の約21万人の販売員が、新しいビジネスの発信拠点として活用できるインフラの整備を行った。