2021年DS化粧品市場・後半戦の取組み 需要掘り起こしの新施策
2021年も半年以上が経過し、ダイレクトセリング化粧品各社は後半戦に向けた取り組みを加速させている。 昨年前半はコロナ禍でサロン等の営業自粛を余儀なくされたが、それ以降はコロナ禍前までとはいかずとも、感染防止対策を講じた上で営業し、 現在は客足も戻りつつある。半面、過去最悪とも言える第五波の只中であり、決して予断を許さない状況にあるが、 サロンでは新メニューやオンラインサービスを導入して需要の掘り起こしに努めている。また、急速に需要が高まっているECへの対応も進んでおり、 イベント型集客など、コロナ禍の影響で実施が難しい施策に代わり、ニューノーマルに対応したかたちで新規顧客を獲得する動きも増えている。
ダイレクトセリング最大手のポーラは、直近の2021年12月期第2四半期において、ポーラブランド売上が前年同期比10.6%増となった。 前年同期がコロナ禍の影響で大幅なマイナスとなったことの反動に加え、1月にリニューアル発売した人気アイテム 「リンクルショットメディカルセラム」や、最高峰ブランド「B.A」シリーズなどの高付加価値ラインが需要を掘り起こした。 ポーラ・ザ・ビューティー(=PB)をはじめとするサロン関連は、一部店舗の休業などの影響があるものの、既存顧客を中心に回復しており、 主力の委託販売チャネルにおける購入単価は、前年同期比4.2%増とプラスとなった。一方、第四波、 第五波と収束の見通しがつかないコロナ禍は依然として不安要因であり、通期でどの程度まで回復するのか不透明な状況にあるようだ。
(ポーラ)
また、2022年1月にエステサービスを刷新することに先駆けて、10月から一部メニューを先行して展開する。 新エステメニューは、最高峰美容液「B?AグランラグゼⅢ」と連動した「〈ハイグレードプログラム〉エイジングケア」と、 30分という短時間で乾燥・くすみのケアを行えるフェイシャルエステ「クリア&モイスト」。 このうち、「〈ハイグレードプログラム〉エイジングケア」を先行発売し、高付加価値のサービスとして訴求する。 「B.AグランラグゼⅢ」は2019年に発売した美容液で、新エステメニューと同時に数量限定アイテムも投入する。 PBなどの店舗では、オンラインカウンセリングなども導入しており、 コロナ禍で変化した顧客のニーズに合わせたスタイルでサービスを提供している。
商品施策では、5月にリポソーム美容液「ノエビア バイオサイン インナートリートメントリポソーム」を投入。 肌に浸透する多重層カプセルが特徴で、オリジナル植物エキスを含む美容成分で肌をケアする。 9月には、30~40代の女性をメーンターゲットとしたメイクアップブランド「アクトリース」から新アイテムを投入する。 アイカラーと、使い方によって発色の違いを楽しめるティントリップをラインナップ。 リップは、マスク着用時でも使いやすいよう密着力と発色を長時間キープする。メイクアップ関連は、 コロナ禍でマスク着用生活が定着した結果、目もとアイテムの需要が増えた。その一方で、 マスクで隠れるリップなどのアイテムの需要が減少しているが、変化したニーズに対応したアイテムを開発することで、 需要喚起につなげる構えだ。
(アイビー化粧品)
(続きは2021年8月26日号参照)