ダイレクトセリング化粧品 ニーズ見据えた柔軟施策
42社のうち、エステ サロンや地域密着型の 店舗といったビジネス モデルを展開している 企業は19社となってお り、約45%の企業がサ ロンビジネスを導入し ている。従来型訪販か ら進化した対面型のカ ウンセリング販売とし て20年以上にわたって 業界に浸透してきたサ ロンビジネスだが、コ ロナ禍で「人と人の接 触による感染リスク」 という想定外の事態が 発生したことで、一時 は店舗休業を余儀なく された。サロンビジネ スは、従来型訪販によ るアプローチが困難な 時代に、立地に合わせ た手法でカウンセリン グやエステ、商品販売 を行うことで「見える 化」を進め、新規ユー ザーの間口を広げるこ とに寄与した。コロナ 禍になり、当初はサロ ンという密閉した空間 での施術や接客は躊躇 されたが、現在は各サ ロンで十全な感染防止 対策を講じて安全性を 確保して営業を継続し ている。また、オンラ インによる事前カウン セリングやバーチャル メーク、ビデオ会議ツ ールを用いたイベント や講習など、デジタル ・リアル双方のメリッ トを活用した施策が生 まれており、時代の変 化に柔軟に対応する動 きがみられる。
他の訪販系上位企業 においても、コロナ禍 の影響があらわれてい る。ノエビアやナリス 化粧品、シーボンとい った化粧品企業では、 昨年春の緊急事態宣言 で店舗やサロンを臨時 休業したほか、異業種 とのコラボレーション や商業施設でのブース を使った体験イベント など、新規顧客へのア プローチ施策として有 用とされてきた取組み も相次いで中止となっ た。
他方で、ニューノー マルに対応した新しい サービスも生まれてい る。コロナ禍ではリア ル・デジタル双方のメ リットを活用した施策 が導入され、「次の一 手」の模索が続く。ナ リス化粧品では、昨年 10月21日から自宅でも サロンと同じ施術を提 供する「プレミアムエ ステ」を実施し、さま ざまな理由で外出が難 しい女性に向けて「お こもり美容」の掘り起 こしを進めるほか、新 メークブランド「ヴィ ータ」や、先ごろ刷新 した研修センターでデ ジタル技術を活用した 新サービスを導入して いる。また、シーボン では、新規顧客と既存 顧客を対象とした「オ ンライン ビューティ ー・アドバイス」や非 接触型の施術などでサ ロン事業の改革を進め ると同時に、ブライダ ル情報サービス事業へ 参入し、事業の多角化、 基盤強化を狙う構えだ。