第70回ダイレクトセリング実施企業売上高ランキング調査 3.4%減の1兆3862億円に
訪販・MLMのシェ アを売上ベースでみる と、全体の92.4%で 同1.0ポイントの低 下。MLMを資本別で 分類すると、国内系企 業が36社、外資系企業 が18社となった。
小売・卸ベースの上 位企業20社の販売形態別内 訳は、訪販7社、ML M10社、サロン販売1 社、宅配1社、職域1 社。上位20社中7社が 増収を達成した。
他の訪販系上位企業 においても、コロナ禍 の影響があらわれてい る。ノエビアやナリス 化粧品、シーボンとい った化粧品企業では、 1回目の緊急事態宣言 発出時にほぼすべての 店舗やサロンの休業を 強いられたほか、異業 種とのコラボレーショ ンや商業施設での体験 イベントなど、新規顧 客への重要なアプロー チ施策が軒並み打撃を 受けた。一方、サロン では感染防止対策を講 じつつ、オンラインカ ウンセリングや接触の 少ない施術を導入して コロナ対応の環境を整 えて営業を継続。加え て、コロナ禍の中で需 要が急増したECチャ ネル の強化や訪問エス テなどの新しいサービ スを取り入れたり、 「マスク荒れ」「目元 メーク」などニューノ ーマルで変化したニー ズに着目した新商品を 開発してウィズコロ ナ、アフターコロナ時 代への対応を進める。
他の訪販系企業で は、日本トリムは、2 021年3月期連結売 上高が前期比7.5% 減の149億1100 万円と苦戦したが、経 常利益は同133・9 %増の23億5700万 円となった。整水器お よび浄水カートリッジ の直販を主力とする 「ウォーターヘルスケ ア」事業では、コロナ 禍の影響で昨年4~5 月の職域販売セミナー 数が大幅減、売上に影響した。その後は回復 基調が続き、3月はコ ロナ禍前の水準に戻し た。また、健康経営を 切り口とした企業一括 導入、地場の有力中小 企業向けの展開を強化 したほか、法人向けの オンライン講習会を通 じた見込み客の掘り起 こしが進んだ。
ニュースキンは、直 近の2021年12月期第1四半期(1~3月) において、売上高が前 年同期比10.9%増と、 四半期ベースでは4期 連続の増収となった。 3月にエイジングケア ブランドの「ageL OC」から、新型美顔 器「ブースト」を投入。 軽量・コンパクト設計 を特徴とし、毎日の手 軽な肌トリートメント で訴求する。正式発売 に先駆けて3度の先行 発売を実施してプロモ ーションに力を入れ た。ビジネス施策では、 コロナ前から推進して きたSNS活用を前提 とする〝ソーシャルセ リング〟の構築が奏功 している。コロナ禍の 中で非対面型のオンラ インリクルートも比較 的スムーズに進み、ビ ジネス活動にSNSを 活用する会員が増加し ている。同社はコンプ ライアンスコントロー ルの観点から、会員が 利用するSNSアカウ ントについて、会社へ の事前申請を義務付け ている。
フォーデイズは、コ ロナ対応のため202 0年11月に実施した全 国大会を4カ所で分散 開催した。2月には、 主力の拡散ドリンク「ナチュラルDNコラ ーゲン」をリニューア ル発売。独自に開発し た新しい拡散素材を採 用するなど機能性を強 化した。ナチュラリー プラスは、セミナーや トレーニングを独自の 動画プラットフォーム による配信でオンライ ン施策の強化を行って いる。2020年10月 に開催した世界大会も 初のオンラインで開催、日本語版、英語版、中国語版の3チャンネ ルを同時配信した。商 品政策では、2020 年12月にオリーブ葉抽 出物を配合した水素水 「OLEMIO」を発 売、同社初のスポーツ ニュートリション飲料 と訴求している。製品 発表会はオンラインで 配信され、Zoomを 通じた同社コーディネ ーターによる製品トレ ーニング、製品説明用 のパワーポイント資料 の提供、さらに製品の 公式インスタグラムも 展開し、オンラインビ ジネスのさらなる強化 を進めている。
(続きは2021年8月5日号参照)