アンビット・エナジー・ジャパン トップインタビュー
電気小売りMLMのアンビット・エナジー・ジャパン(所在地・大阪市北区) の業績が好調だ。17年4月に小売電気事業者として登録し、同年7月より事業を 開始。4年目となる20年12月期は過去最高の約70億円を売り上げ、直近の顧客数 は7万以上に達する。今年初頭に起きた電気調達価格急騰の影響も乗り切りつつ あるという。カントリーマネージャーのステファン・ワグナー氏に話を聞いた。 (インタビューはZOOMで5月28日実施)
▲アンビット・エナジー・ジャパン
ステファン・ワグナー
カントリー マネージャー
ステファン・ワグナー
カントリー マネージャー
前号(7月1日号3 面)に続き、アンビッ ト・エナジー・ジャパ ン(大阪市北区)のス テファン・ワグナーカ ントリーマネージャー に、電力調達価格高騰 にともなう取り組みや 新料金プラン導入の狙 いなどを聞いた。
(イ ンタビューはZOOM で5月28日実施)
―――今年1〜2月に 起きた電力調達価格高 騰問題を受け、4月5 日付で料金プランを改 定した。
「電力の調達費用の 変動に応じて料金も変 わる『電源調達調整制 度』を設けた。といっ ても、完全な市場価格 連動型ではなく、一定 期間の調達費用を平準 化して(※1)、料金 に対してプラスもしく はマイナスする。 したがって、今回の 高騰の際に原価が上が ったのは確かだが、今 後の市場価格の変動に よっては、料金が値上 げでなく値下げに転じ ることもありえる。ま た、平準化した調達費 用を加減する前の料金 は、電力会社の電力量 料金より最低1%値下 げする『低価格保証プ ラン』を継続している」
―――高騰の影響を今 後もひきずりそうか。
「会社としては、お 客様の負担を可能な限 り抑えた上で、安定し た財務状態を維持しな ければならない。問題 はそのバランス。現時 点では、一日でも早く 元の状況に戻せるよう 計画を立てている。 幸運だったのは、親 会社のビストラエナジ ー(※2)の全面的な サポートが得られてい ること。高騰が起きた 1月から、改善プロセ スの策定に携わっても らっている。今年は夏 と冬にも、同じような 高騰が起きかねないと 言われている。その影 響を回避し、インパク トを最小限に抑えるた めの準備も始めてい る」
―――改定後の料金プ ランは、競合の新電力 のプランと比較した場 合、優位と言えそうか。
「はっきりとしたこ とは言いにくい。理由 は、会社によって値上 げへの対応がまちまち なため。例えば、値上 げ分を毎月の支払額に 分散して上乗せしてい る会社もあれば、解約 した時にまとめて請求 するという会社もあ る。分散する期間を延 ばしたり短くしたりし ても、料金が変わって くる」
―――5月11日から、 一定の条件で電気料金 を割引する「フリーフ ライデープラン」を始 めた。
「毎週金曜に使った 電気をすべて無料にす る。ただし上限はあっ て、無料となるのは、 その月の総使用量の最 大17%まで。別の言い 方をすると、その月の 金曜に使った電気の合 計が、月の総使用量の 17%を超えなければ、 文字通り金曜はタダと なる。これからの主力 商品として積極的に提 案していく」
―――どのようなメリ ットを考えられるか。
「まず、金曜に電気 を多く使われる方ほど お得。上限は、金額で なくパーセンテージで 計算するので、月の総 使用量が多い方もお得 となる。使い方として は、電気自動車の充電 とか乾燥機の作動など を金曜に行ってもらっ たらよいと思う。金曜 はエアコンの設定温度 を気にしないとか、ち ょっとしたリワードの ような使い方もしても らえる」
―――その後、金曜の 使用量が増えた?
(続きは2021年7月8日号参照)