訪販協の21年度事業計画 コロナ禍受けオンライン活用推進

販売員教育にeラーニング検討 WEBで相談受付、会員交流会もコロナ禍受けオンライン活用推進

 日本訪問販売協会 (事務局・東京都新宿 区)は6月16日の通常 総会(会場=フォレス トテラス明治神宮、オ ンライン併用)で、販 売員教育や苦情相談処 理、事業者間交流等の 取り組みでオンライン 活用の推進を図ること などを盛り込んだ20 21年度の事業計画を 報告した。創設40周年 事業となる消費者志向 優良活動表彰制度は4 月より申し込みの受け 付けを開始した。総会 では20年度決算報告と ともに新役員選任が決 議 され、同日開催の理 事会で日本メナード化 粧品の中田博常務取締 役が新副会長に就任し た(役員一覧は表参 照)。
 教育制度のオンライ ン活用は、「JDSA 教育登録制度」におけ るeラーニングの実現 可能性について、昨年 度に続き検討を進め る。 「JDSA―」は、 制度に参加する会員企 業が自社で作成した教 育計画書に基づき実 施。計画書に基づくカ リキュラムを履修した 販売員に協会から登録 証を発行している。21 年3月末時点の登録販 売数は46万700人 (20年3月末比増減な し)で、参加企業数は 41社(同2社減)。
 事務局は2年前、参 加企業の増加を目的に 制度の改善点を探る会 員アンケートを実施。 ここで、協会による販 売員教育の実施やeラ ーニング、ビデオ教材 の導入を求める声が集 まっていた。さらに、 コロナ禍で集合型の教 育が難しくなり、eラ ーニングのニーズをよ り高めていた。
 昨年度は、特商法の 訪問販売規制を題材と した動画1本を試験的 に制作。参加企業の間 で利用を試みた。事務 局によれば、今年度は 動画の制作に加え、教 育講座のライブ配信な ども検討していきたい 考え。
 一方、課題としては、 eラーニングのシステ ム構築費用として「数 百万円単位」 (事 務局) を要する見込み。カリ キュラムを履修した販 売員の理解度をオンラ イン上で評価する仕組 みもネックとなる。
 また、昨年度は、 「JDSA―」と両輪をなす「訪問販売員教 育指導者資格講座」の 受講者数が、コロナ禍 の影響で4分の3に減 少(20年度=157人、 19年度=205人)。 感染対策のため、受講 人数を会場定員の3分 の1以下に絞ったこと が響いたほか、例年よ り早い10月から資格講 座を開始したため、毎 年参加していた企業の 一部が参加を見送っ た。外部の集まりへの 参加を自粛した企業が いたことも響いた。合 格率は54.1%で、19 年度(=53.2%)と ほぼ変わらなかった。  消費者相談室の「訪 問販売ホットライン」は、4月よりWEBフ ォームによる受付を開 始(回答は電話で実 施)。20年度の受付件 数は19年度比40.4% 減の323件と減らし たが、これは19年度に 元正会員の「ジャパン ライフ(破産手続き 中)」関連の相談が集 中して寄せられた影響 が大きかったという。 18年度(=381件) との比較は15.2%減。
(続きは2021年6月24日号参照)