ニュースキン、3期連続増収を射程に

好調の新規登録、平均年齢は31~32歳コロナ下で〝Z世代〟参入に追い風

  コロナ禍におけるニュースキンジャパン(本社・東京都港区、小林和則社長) の業績が好調だ。2020年度の国内売上は前年比3%増で、利益率もコロナ前 より高い水準を達成。今年度も好調子を維持しており、3期連続の増収をほぼ確 実視する。背景にあるのは若者層を中心とした新規登録の伸びと、デジタルツー ルやSNSの活用浸透による非対面型リクルートの広まり。海外招待を見送った トリップインセンティブも達成者数は前年を上回った。好調の背景を探る。
20年売上高3%増 今期1Qは二ケタ増
 ニュースキングルー プにおける日本市場の 2020年12月期実績 は、売上高で前期比3 %増の291億900 0万円を計上。1%増 だった19年12月期に続 き成長を維持した(グ ラフ参照、卸ベース)。
 過去10期の日本市場 は、14年12月期~18年 12月期に5期連続のマ イナス成長を経験。売 上のダウントレンドを 長らく脱せずにいた。
 一方、この間に、現 在の成長の布石となる 施策に着手。17~18年 にかけて、新報酬プロ グラム「ベロシティ」 の導入や、SNS活用 を前提とする〝ソーシ ャルセリング〟ビジネ スの推進に取り掛か り、19年からは各地の エクスペリエンスセン ターにおける製品体験 機能の強化を図った。
 18年に正式投入した 新型美顔器「ルミスパ」 のロングランヒットと いう後押しも受け、ア ップトレンドに転換。 ?年?月期は、コロナ 禍が始まった第1四半 期こそ減収としたもの の、すぐに立て直し、 第2~第4Qは再び右 肩上がりに戻した。
 20年12月期は、直近 の第1Q売上を11%増 で終え、四半期売上と しては8年ぶりの二ケ タ増を果たした。同1 Q末のカスタマー(過 去3カ月内に会社から 製品購入あり、ビジネ ス会員含む)数は12万 6526で、前年同期 末比で5.6%の増加。 「今年も対前年比で成 長は間違いない。3年 連続の成長を遂げられ ると思う」 (小林社長) との見通しを立てる。
ソーシャルセリング推進、布石に
 コロナ禍においても 成長軌道を維持できて いる理由の一つが、前 年実績を上回っている という新規登録数の好 調だ。特に若者層の流 入の勢いはコロナ前よ り増しており、現在、 新規の平均年齢は「31 ~32歳」(小林社長) のラインまで低下。 「おそらく、(海外の) ニュースキンの他のマ ーケットと比べても1 番目か2番目に若い」 (同)。以前から増加 が目立っていた、80年 代~90年代前半生まれ の〝ミレニアル世代〟 に加えて、コロナ禍と なってからは、90年代 中盤以降に生まれた 〝Z世代〟の参入が増 えているという。
 このような傾向の下 地になっているのが、 コロナ前より推進して きた〝ソーシャルセリ ング〟の流れ。もとも と、ビジネス活動に各 種SNSを活用してい た会員が少なくなく、 ZOOMを使ったミー ティングも競合他社に 比べて広く行われていた。
(続きは2021年6月10日号参照)