日本シャクリー トップインタビュー
髙杉茂男社長
日本シャクリー(本社・東京都新宿区)の21年3月期は、新型コロナウイルス問題を背景に新規登録数で苦戦した一方、売上は前期比で微減に抑え、 本紙推定で90億円台後半(卸ベース、売上割戻差引き前)とした。コロナ禍を機に前倒しで店舗型拠点の整理に着手。 コールセンター内製化にともない電話注文の受付曜日・時間帯の縮小も行った中、WEBへの誘導などが功を奏した。同期の評価や取り組みの狙いを髙杉茂男社長に聞いた。
(インタビューはZOOMで5月?日実施)
「前年(=20年3月期)に比べて売上高は微減。新規会員の流入も厳しいものとなった。 利益は、固定費や経費の見直しを早期から進めたことで、営業利益ベースで金額も利益率も非常に良かった」
―――新型コロナウイルス問題の影響をどの程度受けたか。
「1度目の緊急事態宣言が出た昨年4~5月のダメージは非常に大きかった。まず、社内の体制や会員の対応をどうしていくかに終始した。そのため四半期毎の売上で言うと、 第1Qは激減。宣言が解除された後は徐々に持ち直し、第2Qが微減、第3Qでフラットのレベルに近づき、第4Qは微増で終えられた。 特に決算月の3月は、キャンペーンのスタイルやインセンティブの期間を再構築したこともあって、例年と同レベルまで売上を高められた」
―――前期の実績をどう評価しているか。
「今のコロナ禍の状況を考えれば健闘したと思う。また、売上の減少にはいくつかの政策的な要因も関係する。これを考慮すれば実質的には増収だったとも言える」
「一つは、一部のカウンター(製品注文等が可能な店舗型拠点)を閉店したこと。全国に12カ所あったカウンターのうち、東京本社のカウンターを7月にクローズし、 10~11月にかけて仙台市、柏市、松山市、那覇市の4カ所を閉めた。各カウンターのスタッフは、在宅での電話による受注業務に異動させて、勤務を続けてもらっている。 本社のカウンターのスタッフは、すぐ近くにある(新宿の)小田急百貨店内のカウンターに異動させた」
―――閉店の基準は。
「10~11月に閉めた4カ所は、他の店舗に比べて店舗規模が小さく利用者の数も少なかった。本社のカウンターは、 『リーダーシップウイング(本社内の大型会議室)』として利用していたフロアの一角に置かれていたのだが、このフロアの賃貸契約を終了したことが理由。 小田急のカウンターでカバーできると判断した。
『リーダーシップウイング』は本来なら200人を収容できる。しかしコロナ禍になり、当局の要請に準じると一度に30人くらいしか利用できない。 ちょうど契約が更新時期を迎えたこともあって、閉鎖を決めた」
(続きは2021年6月3日号参照)