ヤマノHD 3月期

連結売上9.7%減の127億円訪販(DSM)売上は24%減

 ヤマノホールディングス(本社・東京都渋谷区、山野義友社長、略称・YHC)の2021年3月期は、 連結ベース売上高が前年同期比9.7%減の127億100万円となった。    損益面は、売上原価率が前期比1.3ポイント上昇の49.6%、販管費率が同3.5ポイント低下の47.7%となった結果、営業利益は同541.1%増の3億3100万円、 経常利益は同381.2%増の3億2500万円、当期損失は3億2400万円(前期は300万円の利益計上)となった。
 セグメント別の実績をみると、訪販で展開するDSM事業は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、展示販売会の中止・延期が相次いだことから、 売上高は前期比24.9%減の10億5700万円、セグメント損失3300万円となった。同事業では、事業所の統廃合によるコスト削減を進めてきた。 また、買い物以外の顧客ニーズに対応する催事を開催してきたが、コロナ禍によって従来の活動からの転換が求められている。 一方、外出自粛を契機にミシンや空気清浄器の需要が高まっており、それらが伸長していることから、現在は感染防止策を講じながら訪販での営業活動にシフトし、 休眠顧客の掘り起こしと新規顧客の開拓を図っている。
 美容事業では、傘下に入ったヘアサロン経営のL.B.Gの増収影響があった。また、緊急事態宣言に伴う休業・時短営業等の営業自粛については、 解除後は来店客数が回復傾向で推移。宣言解除後は、店舗や従業員の衛生管理、予約管理の徹底等によって感染防止対策を強化しながら営業時間を順次拡大した。 一方、成人式・卒業式の中止・延期に伴い着付サービスの売上が伸び悩んだ。その結果、売上高は同4.7%減の21億1900万円、 セグメント利益が1000万円(同2300万円の損失計上)となった。同事業では、新業態の低価格美容室や、みうらのハンドケアを既存美容室で導入し、 シナジー効果を狙っている。
 和装宝飾事業は、売上高が同13.2%減の90億4800万円、セグメント利益が同3.1%減の2億1600万円となった。 緊急事態宣言によるデベロッパーの休業に伴い、半数以上の店舗で休業・時短営業を余儀なくされたほか、大型展示販売会開催の延期を行った影響を受けた。 宣言解除後は来店客数が回復した。また、前下半期に事業譲受した「かのこ」の和装小売店舗7店舗の売上寄与があった。
 その他の事業は、マンツーマンアカデミーの学習塾運営、ヤマノセイビングの前払式特定取引業、日本技術技能教育協会の着物着付教室がある。 売上高は同4830.6%増の4億7500万円、セグメント利益は800万円(同5300万円の損失計上)となった。
 今期については、引き続きコロナ禍の影響が残るとしている。同社では、ニューノーマルに対応した事業活動を展開するため、IT環境の整備を進めるとともに、 DXを導入した新たな販売施策に取り組むとしている。通期業績予想は、売上高140億円(前期比10.2%増)、営業利益2億3000万円(同30.7%減)、 経常利益2億円(同38.5%減)、当期利益1億円を見込む。