ナリス化粧品のニューノーマル戦略〝おうち美容〟需要の掘り起こし
新型コロナウイルスの変異株による感染拡大が国内外で急増している。東京、大阪など1都2府1県には3度目の緊急事態宣言が発出され、 5月の大型連休を前に人の流れを抑制して感染の抑え込みを狙う動きが強まっている。多くの消費者は、昨年に続いて外出自粛を強いられることになるが、 1年以上続くコロナ下の生活において、少しでも在宅時間を快適に過ごせるようさまざまな商品・サービスが開発・提供されるようになった。 ナリス化粧品(本社・大阪市福島区、村岡弘義社長)では、昨年から自宅エステサービスの強化などを展開してきたが、 長期化するコロナ禍に対応した〝おうち美容〟に着目した新しい施策を相次いで打ち出している。
外出を自粛していても、自宅で美容を楽しみたいという〝おうち美容〟への対応にも力を入れている。昨年10月21日からは、 〝究極のパーソナル空間〟である自宅でも施術が可能な新エステメニュー「プレミアムエステ」を行っている。同サービスは、 サロンと同一のメニューを会員が場所を自由に選んで受けられるもので、人との接触を気にする女性のニーズだけでなく、家事や育児、介護など、 さまざまな理由で外出が難しい女性に対しても、安心して美容ケアを受けられるサービスと位置づけている。さらに今年に入り、 1月21日には「オンラインスキンケアモニター」を導入し、自宅にいながら専属の美容部員とコミュニケーションをとってスキンケアレッスンが行える施策を導入した。 もともと「デ・アイム」などで実施してきた「28日間のスキンケアモニター」を、ニューノーマルに対応したスタイルで展開、より手軽・柔軟に受けられるようにした。 多忙な女性や、店舗への来店に不安を感じる女性など、多様な声を施策に反映されたものだ。また、2月21日に投入した新ポイントメークブランド「Vieta」では、 スマートフォンやPCから自分に合うメークをシミュレーションできる「バーチャルメーク」のサービスと連動させるなど、 既存のノウハウとIT技術を組み合わせたサービスとして多様化するニーズに訴求している。
「メガビューティ」は2001年に誕生した美顔器で、累計販売台数80万台を超える。2005年、2009年、2018年にリニューアルを行い、現行品は4代目。 ナリス化粧品の美容理論の根幹をなす「ふきとり」を軸に、イオンバランシング、ホット&クールやLEDによる光エステや微弱電流によるケアなどさまざまな機能を 搭載している。新発売する化粧品セット「メガビューティ エステティック」は、「メガビューティ」との併用で、 「より質が高く、充実した自宅でのスキンケアを提供する」ことをコンセプトとしている。①ディープクレンジングジェル、②ダーマCローション、 ③アストリンゼントジェルクリームの3品で、①はステップ1(エレクトロクリ
ーン)、②はステップ2(イオンバランシング+ホット&クール)、 ③はクール機能と一緒に使うことでより効率的に肌をケアできるという。 同社が実施した調査によると、家庭用美顔器を所有している女性は3割超。20代では約4割の女性が所有しており、このうち約6割りが1年以内に美顔器を購入しているという。 新型コロナウイルスの変異株の脅威が世界的に広がり、ニューノーマルのライフスタイルは今後も続くとみられる。コロナ禍の中、「化粧品の効果を上げたい」 「サロンに行くよりも経済的」「サロンに行く代わり」といった〝おうち美容〟への期待感が増しており、 ロングセラー美顔器を軸とした〝おうち美容〟需要への対応を強めていく構えだ。