本紙調査 クーリング・オフ通知の電子化

賛成が過半数、「消費者の便益、高める」電話やメールのク・オフ、現状で受付も
 国会へ提出された特定商取引法改正案にクーリング・オフの電磁的通知を可能とする改正が盛り込まれたことを受け、 「ク・オフ通知の電子化」に対する業界各社の見解を本紙が調査した結果、電子化に賛同する考え方が回答社の過半数となった。 法定書面の電磁的交付を可能とする法改正と同様、電子化への賛同が多数を占めた格好(3月?日号1面記事参照)。
 調査では、ク・オフの電磁的通知を可能とすることに対する考え方を聞いた。17社(回答会社参照)より得られた回答内容を本紙がカテゴリー分けした結果、 10社が賛同の見解を示した。反対する意見は1社にとどまった(グラフ参照)。 賛同する会社から寄せられた主な意見は、「電磁的交付とのバランスを取る意味で賛成」 「消費者の便益を高めることになる。書面を書いて郵送するというプロセスは手間がかかる」「条件等がどのように規定されるかにもよるが、賛成。 時代の流れで書面の郵送を『面倒』と感じる方も増えており、紙による通知を求めて逆にこじれてしまうケースもある」「紙より早く通知されるなら、対応も早くできる」 「デジタル化という社会的趨勢に適合する。ク・オフがあった場合、直ぐにそれを知ることができるので経営の効率化が図れる」 「賛成だが、社内運用の再点検と消費者への十分な周知が必要となる」など。消費者の利便性を高めるとともに、 消費者保護の強化やトラブルの排除につながるとの視点がみられた。
 また、賛同する会社のうち2社は、「現在でも書面のみならず、電話、メール等でも受付をしており、電磁書面でも問題ない」 「解約したいという本人の意思がきちんと確認できれば、今でもメールや電話によるク・オフは受け付けている」とコメント。 現行法のもとでも、書面以外の方法で通知を受け付けていた。
 2社は日本訪問販売協会に正会員として加盟。協会は訪問販売事業用の「自主行動基準」で、電話などで口頭のク・オフを申し出られた場合、 申し出内容を記録して手続きを取るか、書面で改めて通知してもらうように求めることを定めている(申し出がク・オフ期間内なら、 通知が期間外に行われてもク・オフ手続きは実施)。
(続きは2021年4月8日号参照)