ビットマスターが第2回債権者集会 回収額は負債の1.5%、前回から増えず

BTC探索を継続、交換所から弁済可能性
 破産手続き中の仮想通貨MLM「ビットマスター」(鹿児島市)の第2回債権者集会が3月10日、東京簡裁内で開かれ、管財人から資産の回収・換価状況が報告された。 回収額は昨年9月の第1回時点から増えず、「配当の可否や配当率は、現時点ではまったく未定」(集会資料より)と説明。今後は引き続き、 パソコンの故障で取り出し不能となっているBTC(ビットコイン)の探索や貸付先からの債権回収に努める方針が示された。
 集会では破産財団の預金残高を約1億6500万円と報告(1月31日時点)。負債総額約109億4400万円に対する回収額は1.5%で、 前回集会で報告された残高約1億7000万円から減少した。負債の96%はMLM会員から預かっていたBTCの未払い戻し。会員2万5000人超のうち、 2月22日までに1万6082人から債権届け出があったと報告された。
 取り出し不能となっているBTCは、ビ社から関係会社「BMEX」に管理を委託していた約1651枚分(3月10日時点の相場換算で約81億円)。 パソコン故障の原因とされている火災事故をめぐっては、保険会社から火災保険金の支払いを拒否されたため、昨年12月に約185万円の支払いを求めて東京地裁に提訴。 火災は放火の疑いがあるとして、警察の捜査への協力も行われているが「現時点で解明には至っていない」と報告された。
 また、B社の元代表の名義により、仮想通貨交換所MTGOX(マウントゴックス)に保管されていたBTC121枚について、 ビ社の資金で取得されていたことを理由に名義を破産者に変更したことを報告。再生手続き中のMTGOXから今後、弁済を受けられる可能性に触れた一方、 弁済率と弁済時期は未定とした。
(続きは2021年3月25日号参照)