書面交付の電子化 消費者のニーズ問われ「消費者庁職員も消費者」

長官会見で説明、具体的要望はナシ
 特定商取引法の改正によって法定書面の電磁的交付を可能とする政府方針をめぐり、電子化を求める消費者サイドのニーズの有無に関して、2月24日の会見で消費者庁長官が説明を訂正する一幕があった。 メールで交付されたほうが便利な消費者もいる旨を述べた後、質問に対して、要望書といった具体的な形で把握していないと説明した。
 会見が行われた同24日は、電子化反対をテーマとする院内集会が開催(3月4日号4面既報)。これを受け、政府内で電子化案が浮上した経緯を問われた伊藤明子長官は、 「政府全体のデジタル化の流れの中で出てきた」「(20年1~8月の特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会で)特商法、 預託法の議論をしていたときには俎上に載っていなかった」と説明した。
 内閣府の規制改革推進会議で候補にあげられたオンライン取引による語学教育サービスだけでなく、対面型を含む6取引類型全てを電子化の対象とした理由については、 「私どもの中で、それ以外も消費者からすると、むしろメールでやれる方が便利だというニーズもあります」「紙のみに限定する必要性があるだろうかと」 「消費者がむしろそれを望むのであれば(中略)決して消費者保護の観点からは問題ないのではないか」と述べた。
(続きは2021年3月18日号参照)