被害回復訴訟制度の課題など検討へ

消費者庁で 3月24日初会合
 特定適格消費者団体に被害回復訴訟の権利を与えた消費者裁判手続特例法について、訴訟制度のあり方などを検証する目的で、消費者庁は3月24日、「消者裁判手続特例法等に関する検討会」の 初会合を開催する。16年の特例法施行から5年を経過。これまでの運用状況を踏まえ、消費者にとっての利用しやすさ、特定団体の社会的意義・役割などの観点から検討を行う。
 検討テーマは特定団体による被害回復関係業務の適正遂行確保のための方策、提訴できる金銭支払義務に係る請求・損害の範囲、制度の効果・認知度。検討会の座長は山本和彦一橋大大学院法学研究科教授。 オブザーバーとして特定団体の消費者機構日本、消費者支援機構関西、埼玉消費者被害をなくす会の3カ所と、最高裁、法務省、国民生活センターが参加する。
 これまでの訴訟は、消費者機構日本が女性受験者等の差別入試問題で東京医科大と順天堂大を提訴。東京医科大の訴訟は20年3月に団体側が勝訴し、受験費の返還に向けた手続きが進行中。 また、仮想通貨の儲け話を謳った情報商材販売会社「ONE MESSAGE」を相手取った訴訟で、5月14日の判決を予定する。
(続きは2021年3月18日号参照)