緊急インタビュー・提訴の狙いは
ジョセフ・ワズワース プレジデント
ブレント・ウィリスCEO(以下ブ)「会社に大きなダメージをもたらした。当然、アクションを起こさないといけない。 3組(4人)に対して非常に強いスタンスで臨んでいる。我々は、アリックスの会員をファミリーだと考えている。ファミリーに悪影響を及ぼす行為には、 強く対処していく必要がある。そのため、アメリカ(=アリックス米国本社)から3組を提訴した。また、日本でも別途、提訴の準備を進めている」
―――新会社の立ち上げは、アリックスの行政処分がきっかけだった。
ブ「処分を受けた責任は第一に私たちにある。そのことは潔く甘受しなければならない。しかし、それとは別に、アリックスの中心メンバーとして3組が動いていたことも事実。 処分で問題となった要因に彼らが関わっていた可能性に関して調査を進めている。 仮に、関わっていたことが判明した場合、彼らが新たにMLMを始めるということ自体に問題があると考える」
―――米国本社を原告とする訴訟での主張は。
ブ「第一に営業妨害。(クロスリクルートを禁じる)契約を結んでいたのに、(新会社への)会員登録をアリックスの会員に勧めた。 第二は、アリックスのブランドや名誉を利用して、会員を引っ張っていったこと。その際、『(新会社が)最終的に再びアリックスと一緒になる』といった 真実と異なる説明が行われていたという情報も得ている。第三は、3組が『ファウンダーズクラブ(以下FC、※)』の一員として(米国本社と)契約を結んでいたにもかかわらず、 『FC』が守るべきルールを破ったこと」
―――アリックスと新会社が「一緒になる」とはどういうことか。
ジョセフ・ワズワース日本・北アジア担当プレジデント(以下ジョ)「『(新会社に移った会員は)いずれまた、アリックスに戻る』や、 『アリックスが(新会社を)買収する』など。しかし、それは真実ではない。(アリックスを処分した)消費者庁は、我々が隠れ蓑の別会社を作って、 会員を移動させることを警戒している。我々は(処分を)真摯に受け止めている。今の状況を看過することはできない」
―――訴訟での賠償請求額は。
ジョ「まだ査定中だが、少なくとも数千万ドルを下らないだろう」
―――訴訟の今後の方針は。
ブ「互いの信頼に反する行為には、絶対にアクションを止めることはない。最後まで戦い抜く。民事による解決を目指しているが、もしかしたら刑事罰に抵触する可能性もある。 その場合は別途、必要なアクションを取ることになるだろう」
―――準備中という日本の訴訟で予定する主張は。
ジョ「メインは営業妨害。損害賠償も請求する」
―――日本でも提訴する理由は。
ジョ「連鎖販売取引の契約に関わる規約違反等は、日本で問う必要がある。アメリカの訴訟は『FC』の契約違反が中心」
―――これまでにどのくらいの会員が新会社に移ったか。
ブ「アリックスに資格を残したまま、(新会社に)登録している会員が少なくないとみられる。そのため、正確な人数は分からない。 一方で、当初に説明されていたことと話が異なると分かり、(アリックスに)戻ってくる会員も出てきている」
―――どれくらいの会員が戻ったか。
ブ「正確に把握していないが、かなりの数なのは確か」
(続きは2021年2月18日号参照)