ナリス化粧品の販売員支援 オンライン活用の取組み活性化

「28日間スキンケアモニター」を自宅で コロナ禍でも細やかなレッスン提供
  新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、生活様式が大きく変化した昨今、消費者の購買行動にも変容がみられる。ダイレクトセリング化粧品分野においても、 いわゆるニューノーマルに対応した新しい施策が相次いで打ち出されている。同分野では、サロンを基軸に異業種とのコラボや商業施設でのイベントなど、 積極的に新規顧客へのアプローチを展開してきたが、コロナ禍によってそれらの施策が大きく後退せざるを得なかった。コロナ禍に晒されて1年余が経過した現在、 ナリス化粧品(本社・大阪市福島区、村岡弘義社長)では、訪問エステの導入やネット通販の強化など、時代に合わせた柔軟な取組みを行ってきたが、 ここにきて新たな施策を展開している。
需要高まる「おこもり美容」に着目
  ナリス化粧品は、セルフエステをメーンとした「デ・アイム」や、専門のスタッフによるクイックエステを提供する「ビューティサロン」といったサロンを展開し、 手軽に受けられるメニューによって幅広い女性層の顧客を獲得してきた。コロナ禍によって、一時は臨時休業や既存顧客のみ受付などの対応を行ってきたが、 現在はサロンで感染防止対策を十全に講じながら営業を続けている。一方で、コロナ禍への不安や、テレワークの推進といった生活様式の変化を背景に、 女性のニーズもコロナ禍前とは異なるものになっている。同社が昨年8月に約2000人の女性を対象に実施したインターネット調査では、 55%の女性が「サロンでのフェイシャルエステの利用頻度が減った」と回答しており、コロナ禍の影響が顕著にあらわれた。 フェイシャルエステを利用する女性は幅広い年代にわたり、20~59歳の利用率は、25.1%で、特に若年層(20~24歳)においては44.7%と、半数近い女性が利用している。
▲自宅で専属美容部員とレッスンできる
「オンラインスキンケアモニター」
 ニーズは多いが、さまざまな理由で来店できない女性が増えていることを踏まえ、同社は昨年10月21日に、〝究極のパーソナル空間〟 である自宅でも施術が可能な新エステメニュー「プレミアムエステ」をスタートさせた。同メニューは、サロンと同一のメニューを会員が場所を自由に選んで受けられるというもので、 初めての取り組み。メニューは60分税別5000円で、①ショルダーケア、②ヘッドケア、③クレンジング、④角質ケア、⑤マッサージングトリートメント、 ⑥マスクの6段階(カウンセリング、メークの時間を除く、女性限定)。これまで通り、サロンで施術を受けることも可能で、 ユーザーは多様化するライフスタイルに応じて同じメニューを受けられるようになった。
自宅でサロンと同じレッスンが可能に
 ニューノーマルの生活が続き、巣篭もり需要が増える中、同社は美容分野において「おこもり美容」という新しいスタイルを訴求し需要掘り起こしを図っている。 この流れを促進する新しい施策が1月21日からスタートした。「オンラインスキンケアモニター」と名付けられたこのサービスは、 自宅にいながら専属の美容部員とコミュニケーションをとってスキンケアレッスンを受けられるというものだ。
 「オンラインスキンケアモニター」では、自宅に1カ月分のスキンケアセットが届き、専属の美容部員がオンラインでカウンセリングを行いながらアドバイスやレッスンを行う。 28日間で4回のレッスンを行い、正しいケアなどをレクチャーすることで、店舗に行かずにスキンケアのステップアップを行える。 多忙な女性や店舗への来店に不安を感じる女性など、多様な女性の声を汲み取り、施策に反映させた。同施策はまた、販売員への支援施策という側面もある。
 同社の「デ・アイム」などでは、もともと「?日間のスキンケアモニター」が新規顧客へのアプローチとして重要な役割を果たしてきた。「オンラインスキケアモニター」も、 前出の自宅エステ「プレミアムエステ」と同様に、自宅でも店舗と同様に販売員とコミュニケーションを図りながらレッスンを行える新しいサービスとして提案するものだ。 同社では、オンラインによるカウンセリングを「対面でできないから、仕方なくオンラインで行う」とは捉えず、多様化する女性のライフスタイルに対応する施策と位置づけている。 従来の店頭でのカウンセリングは、女性はメークをしたまま受けることが多いが、洗顔の方法やファンデーションをゼロから塗るといったカウンセリングやレッスンを、 人目を気にせず日常と同じ条件で行うことができるため、より納得度の高い内容になると訴求している。
 同サービスでは、?日間4週間をかけて、化粧品の基礎知識や正しい使い方、トラブル別のお手入れ方法、自分でできるマッサージなどをレクチャーし、 顧客に新しい「発見」を提供する。自宅に届くスキンケアモニターセット(税別3000円)は、基幹スキンケアブランド「ルクエ」のスタートアップキット (Wクレンジングフォーム、Wクレンジングクリーム、コンク、ローション1、ミルク、クリーム、通常価格税別8800円)に、お手入れ用コットン、泡立てネット、 美活ブック(ガイドブック)、さらにサンプルとしてマッサージングパック(10回分)とファンデーション(28回分)が含まれる。28日間という日数は、 新陳代謝によって肌が生まれ変わるターンオーバーの期間であり、これに合わせてスキンケアの正しい知識を習得し、技術を身につけることで、 「変化を発見できる28日間」と位置づけて提案していく。
バーチャルメークで新しいメーク提案
 さらに、新ポイントメークブランド「Vieta」(2月21日発売)の投入に先駆けて、1月21日からスマートフォンやPCから自分に合うメークをシミュレーションできる 「バーチャルメーク」のサービスも開始した。コロナ禍で店頭でのテスターが使えない状況が続く中、IT技術を活用したバーチャルメークを導入して訴求力を高めていく。
 同サービスでは、スマホやPCのカメラ機能や顔写真データを使って、自由にメークを試すことができる。マスク着用生活が長引き目元のアイメークの重要性が高まる一方で、 アイメークは新しいメークに挑戦するのが難しいとされている。そこで、「新しいメークに失敗なくチャレンジ」できるバーチャネルメークで発見を提案していく。 同サービスでは「Vieta」だけでなく、他のベースメーク品、ポイントメーク品のシミュレーションも可能。 このほか、3ステップで自身のフェースタイプをチェックできる機能も盛り込み、より簡単に〝なりたいイメージ〟のメークを試すことができるのが特徴。 同社は、リアルとオンライン、双方のメリットを活かしながら、多様な女性の声に応えられる態勢の整備を進めている。